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2020年第1四半期(1月~3月)のDeFi状況

◆概要

2020年 第1四半期に、分散型金融(DeFi)の分野で一連の主要なイベントが発生しました。
◆1月30日、EthereumにデプロイされたDeFiアプリにロックアップされたETHおよびERC-20トークンの合計値(TVL)が8億5,000万ドルを超えて過去最高となりました。
◆2月6日、Ethereumにデプロイされた DeFiアプリにロックアップされたETHおよびERC-20トークンの合計値が10億ドルを超えました。
◆2月中旬、分散レンディングプロトコルの『bZx』が数日間で2度のハッキングを受け、95万ドル(約1億円)を失いました。
◆3月12日、株式市場の崩壊に伴い仮想通貨市場全体が40%以上大暴落しました。

第1四半期始めに市場は力強く推移し、市場全体の不安により2月中旬から下落が始まり、3月中旬のWHO(世界保健機構)による新型コロナウイルスのパンデミック宣言の影響で暴落した仮想通貨市場に引きずられるように暴落しました。

◆DeFiにロックされているETH

DeFiは、スマートコントラクトによって実行されます。DeFiの成熟度を判断する一般的な指標としてDeFiにロックアップされている資金の総量があります。
2019年の始めから、MakerDAOとCompound.financeにより、DeFiにロックアップされたETHの総量は増加していき、2020年1月30日にDeFiにロックアップされたETHは8億5,000万ドルを超えて過去最高となりました。MakerDAO(MCD + SCD)は総量の81%(250万ETH)を占め、Compound.finance は12%(37.6万ETH)を占めました。
2月6日、DeFiでロックアップされたETHおよびERC-20トークンの合計値が10億ドルを突破しました。その内訳は、ETH(WETH含む)が約64%を占め、ERC-20トークが残りの36%を占めました。
第1四半期に、DeFiにロックアップされたETHの総量は、「bZx攻撃事件」と「ブラックサーズデー」の影響を受けました。「bZx攻撃事件」は「ブラックサーズデー」よりも大きな影響を与えました。
「bZx攻撃事件」の影響で2月18日~19日でロックアップされたETHの総量は約17.5万、(約5.8%)減少しました。「ブラックサーズデー」の影響で3月12日~13日でロックアップされたETH総量は2.69%減少し、さらに12日以降の1週間で、ロックアップされたETHの総量は12.2%減少しました。

◆bZx攻撃事件

2020年2月中旬に、分散レンディングプロトコルのbZxが5日で二度にわたり攻撃され、約1億円を失いました。これらの攻撃はフラッシュローンを使用し、複数のDeFiアプリケーションをまたがる非常に複雑なトランザクションです。bZx攻撃事件により、DeFiにロックされたETHの総量の大幅な(2月18~19日までで、約5.8%の)減少は、多くのDeFiユーザーがDeFiプロトコルのセキュリティについて疑問を持ったことを示しています。
また、DeFiへの攻撃は今後も継続するテーマであり、DeFi開発チームのより良いコード監査やセキュリティ体制が求められるようになります。

◆3月12日DeFiの「ブラックサーズデー」

2020年の第1四半期の終わりに、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、株式と仮想通貨市場両方が大規模な下落に見舞われました。
3月12日(「ブラックサーズデー」と呼ばれる)に、米国の株式市場が暴落し、BTCの価格は40%、ETHの価格は45%も暴落しました。
データによると、3月12日から13日、Ethereumネットワークでのさまざまなトランザクションアクティビティが大幅に増加し、長期にわたる深刻なネットワーク輻輳が発生しました。
2019年に多くのDeFiチームとプロジェクトが、金融支援ソリューションを通じてブロックチェーン技術の可能性を実現しました。特に2019年後半から、Defiは急速な発展の時期を迎え、MakerDAO、Uniswap、Compound.financeなどの優れたプロジェクトがDeFi分野で地位を確立しています。
2020年の第1四半期の終わりに、新型コロナウイルスの広がりが加速し、多くの産業に影響を及ぼしています。ブロックチェーン技術は、「前例のない」経済危機(2008年の金融危機)の背景で発生し、そのようなイベントによって引き起こされる不確実性と不安定性から人々を保護することを約束としました。多くの人は、暗号通貨は株式市場とは逆の相関関係があると信じていました。しかし、経済不安は暗号通貨をも傷つけることになりました。

◆まとめ

2020年第1四半期の最後の2か月で、DeFiにロックアップされたETHの総量は大幅に減少し、過去1年間の着実な成長傾向を逆転させました。ロックアップされたETHの総量は減少しましたが、これらのデータは2019年末のレベルに戻っただけです。これは、DeFiエコシステム全体がすでにある程度の柔軟性を備えており、すぐにその上昇傾向を取り戻すことを示しています。
「bZx攻撃事件」と「ブラックサーズデー」により、分散型オラクル(Oracle)とDeFi保険に対するニーズが増えています。bZx攻撃事件の後、bZxは価格操作を防止するために、分散型OracleマシンプロジェクトChainlink(LINK)を採用しました。また、DeFi保険もますます重要になって、DeFi保険は2020年に大きく発展すると予想されています。

画像の引用:
https://cdn2.hubspot.net/hubfs/4795067/Alethio%20Defi%20Report%20-%202020.pdf

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