はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 資産運用
CoinPostで今最も読まれています

リップル社CTOが語る:2018年の目標と競合SWIFTとの差別化

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

リップル社CTO Stefan Thomas氏に対し独占インタビュー
リップル社の競合企業(例:SWIFT)とプロダクトの違い、2018年の目標、XRPロックアップなどについて、お話を伺いしました。
競合他社(SWIFT)について
同氏は、SWIFTでは約12%の送金がエラーになる中、そのような情報消失を改善するのが、リップルのゴールである、としました。

東京ビッグサイトで開催された「Slush Tokyo 2018」にて、でリップル社CTO(最高技術責任者)であり、ILP(インターレジャープロトコル)の創案者である「Stefan Thomas」氏にCoinPost編集部が独占取材を実施しました。

リップル社の競合企業(例:SWIFT)とプロダクトの違い、2018年の目標、XRPロックアップなどについて、お話を伺いしました。

お忙しい中、インタビューにご協力頂いたStefan氏とRipple社の方々に御礼申し上げます。

CoinPostの関連記事

Ripple社CTO Stephan Thomas氏へのインタビュー内容まとめ 2017年11月20日、東京でRipple社が開催したInterledger WorkshopにてILPやRipple社の今後等について質問させて
銀行やビットコイン等の異なる台帳を繋ぎ、簡単に送金するようにするための規格「ILP」 リップル社のxCurrentにも利用されていて、世界中のホームページで使われているHTMLやCSSというプログラミング言語を公開しているW

インタビュー内容

2018年はスケールアップの年としていたが、現在の状況は

徐々に、インターレジャーの実際の使用事例に着手できています。

以前はプロトコルのデザインにずっと集中していたので、クールなデモや役に立つアプリケーション、ソフトウェアに携わる事ができてすごく嬉しいです。

先ほどのプレゼンテーションでもお披露目しましたが、実際にインターレジャーを使ったアプリなどをお見せできて嬉しいです。

まだ早い段階ですが、 interledger.orgにいけばチュートリアルを確認することができます。

今後、どのような物がインターレジャー上で作られるのか、私自身とてもワクワクしています。

先日、「C#言語」を使用したインターレジャープロトコルが作られたのを知りました。

これからは、今まで以上にコミュニティーからの取り組みと参加を期待したいです。

2018年の課題とチャレンジについて

新しいスタンダードを採用してもらうのは、容易ではありません。

インターネットのプロトコルに携わっている方々と先日お話をさせていただいたのですが、彼らはすでにルールが決まっていて、そのデプロイメント(展開、配備、配置)についての問題と直面しています。

しかし、リップルは全く新しいスタンダードを紹介しようとしており、全く違う問題と直面しています。

一つのカギは”シンプルであること”です。

新しいルールには、システム展開とユーザー双方に対しての使いやすさが必要不可欠であり、インターレジャーとのインターフェースをできる限りシンプルにしようと努力しています。

二つ目のカギは、ペイメント(支払い)の仕組みを変えようとしていることですね。

私たちは、人々のペイメント、ウェブサイトの収益化モデルに関する見方を変えたいと考えています。

とは言え、変化が起こるには時間がかかるので、我々は地道に「Slush Tokyo」のようなイベントに参加して説明しています。

リップルの競合企業とプロダクトの違いは

一番最初に浮かぶのは、SWIFT(旧来の海外送金や銀行間決済におけるシステム)です。

実質、SWIFTが大半の金融機関における送金システムを担っているからです。

しかし送金の状態が不透明で、一方的に送ることしかできなかったり、いつ届いたのかフィードバックすらもらえないのがSWIFTの現状です。

銀行間でも情報消失は起こり得ます。

銀行によってフォーマットが異なる事により情報が失われ、その結果SWIFTでは約12%の送金がエラーになるようです。

そのような情報消失を改善するのが、リップルのゴールです。

またデジタル資産である「XRP」を使用することにより、事前に流動性を用意する必要がなくなります。

現在、銀行や国際的な送金をする企業は、海外各所にあらかじめ事前払いをしなければなりません。

これに高いコストがかかっており、マッケンジー社によれば26兆ドル、日本円で約2600兆円分の資金が世界中の口座に眠っているとされます。

デジタル資産によってそのようなお金を解放できると思うので、その点では他の仮想通貨(デジタル資産)とも競合していると言えますね。

今リップルがデジタル資産として筆頭していると言える要因の1つとして、規制に準拠することを望むユーザーに準拠しやすいコンプライアンスを促すツールを有しているからだと思います。

例えば、XRPで送金する時に「どのような目的で送っているのか」という情報を添付できる機能があります。

これにより、銀行は送金に関する法律に基づいて、適切に送金を行うことができます。

リップルにとって銀行などの決済会社は脅威ではないのか

先ほど言った通り、海外諸国にあらかじめ資金を準備するには、コストが伴います。

莫大な資金が眠っていて、なおかつそれを保つためにランニングコスト(運用維持費)が発生しているので、そういう会社は今後リップルのクライアントになる可能性を秘めています。

既に世界有数の送金企業である「American Express」や「MoneyGram」、「Western Union」などと提携を結んでおり、そのような企業にXRPの技術が評価・使用されています。

そういう意味で大手ペイメント会社とリップル社は、興味深い立ち位置にあると考えています。

CoinPostの関連記事

Ripple(リップル)における「xCurrent、xRapid、xVia」といった優れたプロダクトの導入が実現すれば、海外送金や銀行間決済における旧来のシステム「SWIFT」を遥かに凌駕するメリットを提供出来る可能性があります。
銀行など中央集権型の金融機関や企業と率先して提携しているが、分散型ネットワークの推進者をどう考えているのか

私は、具体的な目的を持ってこの業界に入りました。

それは以前にもお話した、パキスタンのデザイナーに起きたような悲劇を繰り返さない事です。

(送金は)Eメールを送るように簡単なものであるべきです。

その過程でどの技術にこだわるとか、中央集権、非中央集権はさほど関係ないと思っており、それよりも現在問題に直面している人々の悩みを解決したいのです。

元々Bitcoinに興味が湧いたのも、それが最大の理由でした。

銀行の高い手数料を改善できるのは、Bitcoinだと期待していました。

しかしながら、昨年Bitcoinの手数料は、Visaの手数料を大幅に上回っています。

何かがおかしいことに気が付きますよね。

我々は、非中央集権と競争を同一視してしまっているのです。

実際、Bitcoinは競争の無い独占的なシステムです。

もし支払先が、Bitcoinしか受け付けていなかったら、Bitcoinで払わなければいけません。

私たちは、インターレジャーによってそのような状態を打破したいと思っています。

インターレジャーを使用すれば、ビットコインのみの支払いでも、他の仮想通貨の台帳と繋げることができるようになり、ユーザーの使用したい通貨、台帳の種類を選ぶことができます。

インターレジャーにより競合を促す事ができ、結果的にさらに安いオプションがどんどん出現するようになるのが狙いです。

毎月1日に10億XRPを放出可能なロックアップが設定されており、実際に約8400万ドル分のXRPを放出したと聞いたが、放出基準や懸念点は

エスクロー(商取引の際に信頼の置ける第三者を仲介させて取引の安全を担保する第三者預託)は、事前にロックアップされる額と、放出される日時を決めます。

50億XRPはロックアップされていて、事前に決めた日時まではアクセスできませんし、使用できるのも毎月最大10億XRPまでと制限されています。

このエスクロー口座の資産は、提携や取引所の援助やXRPの補助金に使い、使用されなかった分のXRPは再度エスクロー口座に入れます。

個人的に、Bitcoinの開発に携わった一人として感じている点は、開発にインセンティブを与えたり、弁護士を雇い政府系金融機関と渡り合える環境を作るのは極めて重要であるということです。

これは、XRPの一所有者としても嬉しいことであり、Bitcoinではこのような取り組みが欠けていたように思います。

例えば、ニューヨーク州で訴訟があり、「Bitcoin財団」が資金を募集していたのですが、リンク先に行ってみると数百ドルしか集まっていなかったのを鮮明に覚えています。

その時に私は、仮想通貨を統制・促進できる団体の必要性を感じました。

イーサリアムにとっては、それがConsenSys(コンセンシス)であり、XRPも同様の体制をとっています。

CoinPostの関連記事

リップル社は仮想通貨業界で最古の投資ファンドであるBlockchain Capitalに対しXRPを使用して,500万(約26.5億円)の出資を行うことを発表しました。また、今後もファンドへの出資が増加すると示唆されています。
日本のユーザーの方々に一言

日本は、私の大好きな国です。

もちろん食べ物も美味しいし、人々も礼儀正しいという点もあるのですが、一番すごいのは、「大勢の人が仮想通貨に精通していること」だと思います。

CoinPostの読者にも、(Rippleの技術面など)さらに知見を深めていただけたら嬉しいですね。

もちろんコインポストのサイトを見ているだけで、すでに勉強されている証拠だと思います。

世間では、さまざまな種類のデジタル資産を1つのカテゴリーに詰め込んで、『クリプト(仮想通貨の略)』と呼んで騒がれていますが、これが株に対して行われたらどうでしょうか。

全ての株が一斉に急騰した、大暴落した…と、これではキリがないですよね。

さまざまな種類の仮想資産の違いを識別し、どれに投資するべきでどれに投資すべきでないかをキチンと判断できる”教養”が必要だと思います。

ぜひ、仮想通貨について今まで以上に学んでみて下さい!

CoinPostの関連記事

リップル社のプロダクト(RippleNet、xCurrent、xRapid、xVia)と採用企業をまとめました。Rippleのプロダクトのうち、XRPが利用されるのはxRapidです。提携企業がどのプロダクトを採用するかに注意が必要です。
CoinPost App DL
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/03 火曜日
10:55
イーサリアムETF、ステーキング利回り承認の可能性 バーンスタイン予測
米国のイーサリアム上場投資信託では、近い将来ステーキングによる利回りが組み込まれる可能性があると、投資銀行バーンスタインが12月2日のレポートで述べた。トランプ政権2.0が追い風になる見解だ。
10:30
石破総理、暗号資産の申告分離課税適用に慎重姿勢
自民党の石破総理は国会答弁で、仮想通貨の分離課税20%適用やビットコインなどのETF承認に消極的な姿勢を示した。国民民主党からの代表質問に回答した。
09:30
イーサリアム現物ETFの日次資金流入、初のビットコインETF超え
米国のイーサリアム現物ETFが初めてビットコイン現物ETFを上回る日次流入を記録。機関投資家からの注目が高まっている可能性がある。
08:00
米MARA、ビットコイン追加購入のためにさらに1200億円調達へ
米上場の大手仮想通貨マイニング企業マラソン・デジタル(MARA)は2日、ビットコイン買い増しのために1,200億円分の転換社債の発行を通じて資金調達を行うと発表した。
07:30
マイクロストラテジー会長、マイクロソフトにBTC投資を提案
マイクロストラテジーのマイケル・セイラー会長は、マイクロソフトのCEOと取締役会に対し、仮想通貨ビットコインに関するプレゼンを実施。マイクロソフトがビットコインに投資すべき理由を説明した。
07:15
XRP現物ETFの上場申請に大きな進展 米WisdomTreeがS1書類を提出
米資産管理会社WisdomTree(ウィズダムツリー)は2日に仮想通貨XRP現物ETFに関連するS-1書類をSECへ提出し申請プロセスを加速させた。XRPの価格は3ドル手前まで高騰した。
06:35
ナイキ傘下のRTFKT、事業を完全停止へ
ナイキ傘下のNFTプロジェクトのRTFKTが3日、2025年1月末までに事業を完全に停止すると発表した。CloneXへの影響はまだ明確ではない。
06:15
ミームコインMOODENG(ムーデン)が60%急騰、コインベースの上場発表受け
コインベースが3日、仮想通貨ミームコイン「ムーデン(MOODENG)」を新たに上場する意向を示した。価格が大幅に急騰した。
05:55
今週もビットコイン追加購入、2200億円相当 米マイクロストラテジー 
新たな買い増しにより、米マイクロストラテジーの仮想通貨ビットコイン保有額はさらに15,400 BTC増加し、総保有量が402,100 BTCとなった。
05:40
米政府、1400億円相当のビットコインをコインベースへ送金 売圧懸念高まる
米国政府が月曜日深夜一時半ごろ、「シルクロード」から押収された約19,800 BTCのビットコイン(2,900億円相当)を新たなアドレスへ移動させた。ビットコイン価格はこのニュースに影響され一時急落した。
12/02 月曜日
19:45
SBI VCトレードとメタプラネット、総額3000万円相当のビットコインが当たるキャンペーンを発表
暗号資産取引大手のSBI VCトレードが、メタプラネントと共同で総額3000万円相当のビットコインプレゼントキャンペーンを開始。2024年12月31日時点のメタプラネント株主(100株以上)が対象。新規口座開設で2350名に当選のチャンス。応募期限は2025年3月31日まで。
14:31
分散型IDインフラzkMeネットワーク、新たな報酬プログラムを導入へ
ゼロ知識証明を活用した分散型IDインフラzkMeネットワークが、新たなトークノミクスを発表。報酬プログラムを導入する。
14:25
米資産運用会社モルガン・クリークCEO、来年注目の「アルトコイン5選」に言及
米資産運用会社モルガン・クリークのマーク・ユスコCEOは、2025年に注目するアルトコイン5銘柄に言及。ビットコインについては、まもなく10万ドル(約1500万円)を突破し、大きな放物線の上昇を見せるとの予想を披露した。
11:38
XRPが約7年ぶり水準の2.5ドルに高騰、SOLを抜き時価総額3位へ浮上
暗号資産(仮想通貨)相場では、リップルの開発するXRPが2018年1月以来約7年ぶり水準の2.5ドル(370円)水準に高騰し、時価総額ランキングでソラナ(SOL)を上回った。その背景は?
11:14
Japan Open Chain、IEO先行優先販売が完売  特典付き募集は12月3日まで受け付け中
Japan Open ChainのIEO先行優先販売が完売。特典付き申込は12月3日まで受付中。一般販売情報やJOCトークンの特徴を解説。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
重要指標
一覧
新着指標
一覧