仮想通貨(暗号資産)は、年を追うごとに大きく成長していっている市場で、2024年には世界で500兆円規模に。インターネット上で使える新しい形のデジタルマネーとして国内外から大きな注目を集めています。
一方で、仮想通貨は従来の金融商品やお金とは異なる特徴を持つため、不明点も多く、投資に踏み出せないという方も多いでしょう。
そこで、本記事では仮想通貨の基礎から活用方法まで、初心者の方でも理解できるよう分かりやすく解説します。
仮想通貨の基本知識
仮想通貨とは、ブロックチェーン技術を使ったインターネット上で取引される新しいデジタル通貨です。
仮想通貨と暗号資産の区別は呼び方が異なるだけで同じものです。仮想通貨は法改正により2020年5月から「暗号資産」が正式名称になりました。
ここでは、仮想通貨の基本知識について、分かりやすく解説していきます。
仮想通貨とは?
先に挙げた通り、仮想通貨とはインターネット上でやり取りされるデジタル資産です。代表的なものにビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)があり、2万種類を超える銘柄があり、日々新たな銘柄が誕生しています。
仮想通貨は円やドルといった法定通貨のように、物理的な実体が存在しません。また、国家によって価値が裏付けられているものではなく、インターネット上でやりとりされる電子データです。
しかし、仮想通貨は法定通貨で行うほぼすべてのことができます。また、法定通貨とも交換できることが仮想通貨の経済的価値の土台となっていると考えられます。
仮想通貨と電子マネーの違い
仮想通貨とよく混同されやすいのが、電子マネーです。 紙幣や硬貨ではない点は仮想通貨と同じですが、異なる点もあります。概要については下記表のようなものです。電子マネー | 仮想通貨 | |
---|---|---|
具体例 |
|
|
管理主体 | 発行企業 | 基本的にない |
価値の変動 | 少ない | 大きい |
個人間送金 | 不可 | 可 |
電子マネーは必ず発行主体が存在し、発行主体が価値に裏づけされており、価値は一定です。また、原則として換金することができず、不特定の人との取引にも利用できません。
一方、仮想通貨は発行主体や管理者が基本的に存在せず、銘柄ごとに価格が大きく変動することもあります。また、法定通貨に換金することができ、銀行などの金融機関の仲介なしに直接やり取りすることが可能です。
ブロックチェーン技術
ブロックチェーンとは、仮想通貨の基盤技術となるものです。
取引履歴を暗号技術で連鎖的につなぎ、データを分散管理することで、その取引記録を安全に管理しています。
特定の管理者を必要とせず、参加者全員でデータを共有・管理することで、システム障害や不正に強い堅牢性を実現。
「分散型台帳技術」とも呼ばれ、情報をブロック単位で時系列に記録し、改ざんが極めて困難な特徴を持ちます。
台帳の全部または一部を参加者間で共有し、誰が、いつ、どのような情報を記録したのかを透明性高く管理できる特性から、銀行業務や企業間取引など、幅広い分野での活用が期待されています。
ビットコインについて
ビットコインは、2009年にサトシ・ナカモトによって開発された、世界初のブロックチェーン技術を活用したデジタル通貨です。従来の法定通貨と異なり、中央銀行などの管理者が存在せず、P2Pネットワークによる分散型システムで運営されている点が特徴です。
発行上限が2,100万枚と定められており、インフレーションを防ぐ設計となっています。また、国境を越えた送金や決済が可能で、スマートフォンやパソコンを通じて世界中で利用できます。
現在、仮想通貨市場において約280兆円と最大の時価総額、全銘柄中トップを誇り、仮想通貨の代表格としての地位を確立しています。
ブロックチェーン技術により、取引の透明性と安全性が確保され、次世代の決済手段として注目を集めています。
仮想通貨の活用方法
仮想通貨という言葉を聞くと、使い道は資産として保有するだけと思われる方もいるかもしれませんが、資産以外にも様々な使い道が存在します。
一般的に知られている「投資」としての活用方法も含めて、ひとつひとつ具体的に解説していきます。
仮想通貨投資
仮想通貨は、投資・資産運用の対象として広く認知されています。特にビットコインは2024年11月に約1500万円の最高値を記録し、高いリターンポテンシャルを示しました。
取引方法には、実際の仮想通貨の受け渡しを行う現物取引と、証拠金を活用して取引できるレバレッジ取引があります。ただし、高いリターンが期待できる一方で、それに応じたリスクも存在することを理解しておく必要があります。
決済・送金
仮想通貨の活用方法として、決済と送金の機能があります。送金面では、ブロックチェーン技術を活用することで、国内外問わず低コストかつスピーディーな取引が可能です。
決済においては、2017年の改正資金決済法により国内でも正式な決済手段として認められ、ビックカメラなどの大手小売店での利用が可能になりました。
店舗側にとっては、クレジットカード決済と比べて手数料が5分の1程度に抑えられ、即日入金というメリットがあります。また、利用者側も為替手数料を気にすることなく、世界中のサイトで決済できる利点があります。
特に途上国など、銀行口座の保有が困難な地域においては、インターネット環境さえあれば利用できる仮想通貨の送金・決済システムが、新たな金融インフラとして期待されています。
NFT
仮想通貨の新たな活用事例として、NFT(Non-Fungible Token)取引における決済手段があります。NFTは、デジタルアートやメタバース内の資産など、デジタル上の代替不可能で固有の価値の所有権を証明する技術で、その取引にはイーサリアムなどの仮想通貨が不可欠です。
購入時には、ブロックチェーン技術により、購入者から販売者へ自動的に仮想通貨が送金される仕組みとなっており、アート作品の収集や投資、ゲーム内アイテム、会員権など、多様な用途で仮想通貨による決済が活用されています。
ブロックチェーンゲーム
仮想通貨の新たな活用方法としては、ブロックチェーンゲームもあります。これは、仮想通貨やNFTの技術を活用したゲームで、従来のゲームとは異なり、実際の経済価値と直結しています。
STEPNやAxie Infinityなどの代表的なブロックチェーンゲームでは、「Play to Earn(遊んで稼ぐ)」というシステムを採用。ユーザーはゲームプレイを通じて仮想通貨を獲得し、法定通貨への換金が可能です。また、ゲーム内で入手したNFTアイテムは、売買による収益化も実現できます。
ブロックチェーンゲームは、仮想通貨を実践的に活用できるプラットフォームとして機能。エンターテインメントと投資を融合させた新しい仮想通貨の活用方法として、世界中で注目を集めています。
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