はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 資産運用
CoinPostで今最も読まれています

前澤友作氏の『MZ Web3ファンド』が目指す場所とは|「わからない人」たちをWeb3へ導く

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

2022年5月27日、著名な実業家である前澤友作氏が、TwitterでWeb3特化型のファンド『MZ Web3ファンド』の設立をアナウンスしました。

過去に「社会課題の解決・趣味の追求」を目指す起業家へ出資する『前澤ファンド』を立ち上げて多数の企業に出資してきた同氏が、Web3市場への投資を本格化した形です。

2022年にWeb3領域は大きな盛り上がりを見せており、海外だけでなく国内でも次々とファンドが設立され、少しずつですが着実に普及が進んでいます。

本ファンドを通じて絶大な影響力を持つ前澤氏がWeb3へ本格参入することは、こういった一般化の流れを劇的に加速させる可能性を秘めており、注視すべき出来事といえるでしょう。

そこで本記事では、Web3の一般化を大きく促進しうるMZ Web3ファンドの概要や特徴について詳しく解説しましょう。

目次
  1. 『MZ Web3ファンド』設立の背景|Web3市場の盛り上がり
  2. Web3プロジェクトへ100億円規模の出資を行う『MZ Web3ファンド』とは
  3. MZ Web3ファンドを立ち上げた前澤友作氏の影響力
  4. MZ Web3ファンド投資先第一号はP2Eゲームの『Openblox』
  5. MZ Web3ファンドは「わからない人」たちを巻き込んで進む

1. 『MZ Web3ファンド』設立の背景|Web3市場の盛り上がり

初めに、MZ Web3ファンドが設立されるに至った背景を知るため、これまでのWeb3市場の盛り上がりについて触れましょう。

近年、Web3(分散型ウェブ)というワードは大きく知名度を上げ、その領域への関心も世間一般で高まっており、Web3領域にファンドを組成する動きも増えています。

例えば、2022年6月にはWeb3ゲームのスケーリング強化をサポートする「Immutable X」を運営するImmutable社は、670億円のWeb3ゲームファンドをローンチしました。

こういったWeb3領域のファンド設立事例は、国内でも後を絶ちません。

2022年には、株式会社アカツキがWeb3領域に特化した25億円規模のファンド「Emoote(エムート)」を設立。ベンチャーキャピタルのSkyland Venturesが同じくWeb3領域特化のファンドを立ち上げました。また、GMOインターネットも、Web3投資をおこなうコーポレートベンチャーキャピタルを同年6月下旬に設立予定と報道されています。

こういった市場の動きを受け、日本政府も「経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太方針2022)」を閣議決定し、Web3の環境整備の本格化を進めていく方針を明らかにしています。

日本政府、Web3の環境整備を本格化 骨太方針を閣議決定
日本政府は、仮想通貨に関する方針を含めた「骨太方針2022」を閣議決定した。NFTやDAOの利用等のWeb3推進に向けた環境整備の検討を進めると説明している。

まさに2022年は、「Web3元年」と呼ぶにふさわしい年と言えるでしょう。

2. Web3プロジェクトへ100億円規模の出資を行う『MZ Web3ファンド』とは

こういった一連の動きに加わったのが、株式会社ZOZOの創業者である前澤友作氏が設立した『MZ Web3ファンド』です。

MZ Web3ファンドの概要:

ファンド名 MZ Web3ファンド(https://web3.mzfund.co.jp/)
カテゴリー ・Web3関連領域における事業
・VR/AR/xR等の技術を活用したプロダクトやサービス
出資額の規模 数百万〜数億円
投資ステージ プロジェクトの初期段階(シード~アーリーステージ)
投資方法 株式投資/NFT・トークン投資

これまでにも前澤氏は「社会課題の解決」や「趣味の追求」をビジョンに掲げる起業家へ出資する『前澤ファンド』を設立し、多数の企業へ投資を行ってきた実績があります。

MZ Web3ファンドは、そういった前澤氏がWeb3・メタバース領域に特化して出資を行うために設立されたファンドです。

「『わかっている人』たちだけで閉ざない、『わからない人』たちも巻き込んだ」新しいWeb3の在り方を目指すことを強調している本ファンド。

ファンドの目的としては、Web3の浸透を通じて今までスポットの当たらなかった人・場所に光を当て、情報格差や所得格差など現代社会の歪みを滑らかにすること等が挙げられています。

MZ Web3ファンドの投資対象となるのは、「Web3関連領域における事業を行う企業や団体」「VR/AR/xR等の技術を活用したプロダクトやサービスを提供する企業」の2カテゴリ。

本ファンドの最大の特徴の一つが、即断即決で審査し、払い込みも審査通過後1週間以内に行うというそのスピード対応。また、投資方法は株式投資だけでなく、発行したトークンを分配することを通じて出資を受けられる「NFT・トークン投資」も選択可能です。

目まぐるしく変わる市場に追いつくためのスピード対応や、NFT・トークン投資の採用は、Web3領域では主流となりつつある出資方法。こういった条件設定からも、前澤氏がWeb3市場に精通していることを伺わせます。

本ファンドを通じて出資を得た企業や団体には、前澤氏が培った事業運営経験、国内最大級のSNSフォロワー基盤、Web3領域に関する知見等が余すことなく提供されるとのことです。

前澤友作氏、Web3・メタバースに100億円を出資へ
株式会社スタートトゥデイの前澤友作 代表取締役は、Web3及びメタバース領域を専門とする、100億円規模の投資ファンド「MZ Web3ファンド」を組成したことを明らかにした。

3. MZ Web3ファンドを立ち上げた前澤友作氏の影響力

国内の一般クリプト関連ファンドと比較した際、本ファンドが持つ最大の魅力の一つは前澤友作氏の存在でしょう。資金的な支援はもちろん、国内で絶大な影響力を誇る同氏のサポートを受けられるメリットの大きさは計り知れません。

そこで続いては、本ファンドを立ち上げた前澤氏の影響力や実績についてご紹介します。

3-1. 高い発信力と若者への絶大な影響力

前澤氏は株式会社ZOZOを創業し、たった一代で一兆円企業を築き上げた敏腕経営者として知られています。

2022年6月時点でTwitterのフォロワー数は1000万人以上で、日本人のTwitterアカウントとしてはフォロワー数でトップ1位です。その拡散力は世界随一で、2019年にはリツイートの世界最多記録を更新し、ギネス記録にも登録されたほど。

ちなみに、2022年における同氏の資産評価額は約2200億円で、これは日本の長者番付で27位、40代以下の個人としては1位の資産額を誇る資産家でもあります。

2-2. Web3領域での活動実績も豊富

そんな前澤氏は、以前から仮想通貨・Web3領域で幅広く活動を行ってきた実績があります。

2021年12月には宇宙旅行を果たし、国際宇宙ステーションで12日滞在。滞在期間中には宇宙で自身のスマホで撮影した写真をNFT化して発行。ソユーズ宇宙船がISS(国際宇宙ステーション)へドッキングする最中に撮影されたこの写真は「Rendevous(ランデブー)」と名づけられました。

宇宙からNFTが発行されるのはこれが世界初で、ブロックチェーンには同氏が出資している国内プロジェクト「パレット(Palette)」を採用。

他にも同氏は、希望者が少額を出資して参加する形式のDAO(分散型組織)の立ち上げをTwitterで呼びかけるなど、Web3領域で積極的な活動を続けています。

世界初 前澤友作氏が宇宙NFTを発行、「パレット」ブロックチェーン採用
ZOZO創業者の前澤友作氏は16日夜、宇宙から撮影した写真をNFTとして発行することを発表した。発行にはパレットブロックチェーンが採用される。

3-3. 過去に多数のWeb3プロジェクトを設立・運営

前澤氏は、株式会社ZOZOの他にも多くの会社立ち上げや経営に携わっています。

例えば『ARIGATOBANK』は「楽しいコトが、お金に変わる」をコンセプトに、個人間で簡単に寄付をし合えるプラットフォーム。「お金に困る人をゼロにする」という壮大な目標を掲げ、アプリ内で実施されるキャンペーンへの参加やゲームで遊ぶことを通じてお金がもらえる仕組みが採用されています。

同社のCEOには、暗号資産取引所「ディーカレット」元CTOであり、PayPay・Yahoo!マネーなど複数の決済サービス立ち上げに関わった実績を持つ白石陽介氏が就任。

前澤氏の影響力を大きく高めるきっかけとなった「お金配りfrom宇宙」のキャンペーンも、ARIGATOBANKの電子マネーを利用して行われました。

このように前澤氏は、国内随一の影響力を持ちながらWeb3分野にも理解が深く、Web3市場と一般社会の橋渡しに大きく貢献している有識者の一人なのです。

前澤友作氏の第二の創業、元ディーカレットCTOが正式に参画表明
仮想通貨交換業大手「ディーカレット」の元最高技術責任者白石陽介氏はZOZO(ゾゾ)創業者の前澤友作氏の新事業に参画したことをSNSで伝えた。

4. MZ Web3ファンド投資先第一号はP2Eゲームの『Openblox』

出典:Openblox

そんなMZ Web3ファンドの投資先第一号が早速決定しましたので、概要をご紹介します。

4-1. 記念すべき投資先第一号『Openblox』について

MZ Web3ファンドの投資先第一号として公表されたのは、Move to Earn(動いて稼ぐ)やPlay to Earn(遊んで稼ぐ)のアプリ開発を行うOpenblox社。

EthereumとArbitrumを利用して構築される同プラットフォーム上では、今後豊富な種類のNFTゲームがローンチされてゆきます。複数のゲームがローンチ後は、1つのキャラクターでOpenblox上の全てのゲームを行き来できるメタバース構造になる予定です。

同プラットフォームで最初にリリースされるプロジェクトは『Runblox』。スマートウォッチやスマホにアプリをインストールし、屋外を走ることでトークンを受け取れるM2Eゲームです。

4-2. 前澤氏による過去ファンド『HashPort』の事例

MZ Web3ファンドの将来性を計る指標の一つとして、過去に前澤氏によって実施されたHashPortへの出資実績についてご紹介しましょう。

HashPortは、国内初のIEO『Hashpalette』の親会社で、ブロックチェーン分野のコンサルティングやシステム開発を担う会社です。

同社への出資が行われたのは2021年で、前澤友作氏を引受先とする第三者割当増資(新株を割り当てる代わりに出資をしてもらうこと)の形式で4.8億円の出資が実施されました。

国内初IEO実施のHashpalette親会社、ZOZO創業者「前澤友作」氏から4.8億円資金調達
コインチェックにて国内初のパレットトークン(PLT)IEOを実施したHashpaletteの親会社で、ブロックチェーン・コンサルとシステム開発を行うHashPortが、ZOZO創業者の前澤友作氏を引受先とする第三者割当増資で、約4.8億円の資金を調達したことがわかった。

5. MZ Web3ファンドは「わからない人」たちを巻き込んで進む

MZ Web3ファンドの公式サイトでは「わからない人たちを巻き込む」ことが強調されています。

実際、これまでのWeb3市場は、多くの活動がブロックチェーンや仮想通貨に通じた限られた人のコミュニティの中に収まっていました。しかし、それではマクロな視点からは中央集権的です。分散型ウェブの本質を体現するには、一般社会への間口を広げなければなりません。

高い影響力を持つ前澤氏がMZ Web3ファンドを通じてWeb3へ投資を行い、一般社会へWeb3が浸透していく未来に、期待が集まっています。

CoinPost App DL
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/01 日曜日
13:01
今週の主要仮想通貨材料まとめ レイヤー1銘柄の年初来上昇率・アバランチ大型テストネットなど
暗号資産(仮想通貨)の材料まとめ 前週比の騰落率(11/24〜11/30) ビットコイン(BTC):$97,417ドル -1.9% イーサリアム(ETH):3,595ドル +9…
11:31
1400万円台で推移のビットコイン、この先は激しい上下の値動きに注意|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストが、1400万円台で推移する今週のビットコイン(BTC)相場を分析。10万ドルの壁を突破できれば、FOMOによって相場が走ると想定するも、CMEのビットコイン先物では7.8万ドル〜8万ドルの間に窓が開いている点にも言及した。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|XRPやSOLOなどの価格高騰に高い関心
今週は、仮想通貨XRPやSOLOなどの価格高騰、ビットコイン売却観測に対するマイクロストラテジーのマイケル・セイラー会長の対応、ビットコイン長期保有者の売却に関するニュースが最も関心を集めた。
11/30 土曜日
20:10
ビットコインは今後どうなる?2025年に向けた注目点、価格予測
ビットコインは2024年初から高騰して1400万円を突破し10万ドルに迫る。トランプ大統領の返り咲きと政権交代、ETF上場、FRBの金融緩和という3つの大きな変化を背景に、主要金融機関は2025年の価格予測を公開。機関投資家の参入と半減期後の需給動向から、今後の展望を徹底解説します。
13:35
米FRB利下げが仮想通貨・株式市場に与える影響は? バイナンスリサーチ分析
バイナンスリサーチが、FRBの利下げがビットコインなど仮想通貨や株式市場に与える影響を分析するレポートを発表した。
11:45
フランス高級デパートが仮想通貨決済を導入、バイナンスペイなどと提携
フランスの高級デパート「プランタン」は今週、欧州初の事例として仮想通貨決済を導入することを発表した。
10:50
ロシア、仮想通貨マイニングに課税制度を導入 プーチン大統領が法律に署名
ロシアで仮想通貨マイニング収益への課税を規定する法律が成立した。ロシアは国際取引での仮想通貨決済も限定的に解禁している。
10:10
承認間近か、リップルのステーブルコイン「RLUSD」 ニューヨークで
FOXビジネスの29日の報道によれば、米ニューヨーク州の金融規制当局が、リップル社の新しいステーブルコイン「RLUSD」を承認する可能性が高まっている。ニューヨーク州金融サービス局は、12月4日を目処にRLUSDを承認する見込みだという。
09:25
「今日のミームは明日のETFになる」ドージコイン現物ETFの実現可能性は? アナリストが見解
ドージコインは元々ジョークとして始まったが、現在では時価総額約620億ドルの第7位の仮想通貨に成長。アメリカの新政権の動きや仮想通貨規制の進展を背景に、ドージコインETF承認への期待が高まる中、ウォール街の反応や今後の展望を探る。
08:20
9.2億円で落札したバナナのアート、トロンのサン氏が試食
仮想通貨トロンの創設者であるジャスティン・サン氏が、ダクトテープで壁に貼り付けられたバナナという概念的なアート作品「コメディアン」を9.2億円で落札し、世界中から注目を集めた。
07:40
Hyperliquid、早期ユーザーにエアドロップ実施
L1ブロックチェーンやDEXを提供するHyperliquidは、仮想通貨HYPEのエアドロップを実施。Hyperliquidは公平な金融システムの構築を目指すプロジェクトである。
07:05
400回以上の死亡宣言を乗り越えたビットコイン、10万ドルに向かって反発
仮想通貨ビットコインは400回以上「死亡」宣告されながらも、驚くべき復活と成長を遂げている。単なる通貨や投資手段を超えた存在となり、従来の金融システムに挑戦する技術として認識されつつある。
06:30
仮想通貨XRP、17%以上の上昇 現物ETF実現とリップル裁判取り下げへの期待が背景
仮想通貨XRPが30日、2021年5月以来の高値を記録した。最近のXRPの価格続伸は、現物ETFの可能性と米証券取引委員会の今後の変化への期待に支えられている模様だ。
11/29 金曜日
18:00
メタマスクの使い方、仮想通貨の送金や交換、便利機能を図解で簡単に
MetaMaskのインストール方法から送金手順、暗号資産(仮想通貨)取引所への送金や取引所からの出庫方法、セキュリティ対策までを初心者向けに詳しく解説。自己管理型ウォレットの基本知識を身に付けましょう。
14:30
「ステーブルコインは最初のキラーアプリ」=スタンダード・チャータード銀レポート
英大手スタンダード・チャータード銀行は、Zodia Marketsと共同執筆したステーブルコインに関するレポートで、近年、仮想通貨取引以外の用途にステーブルコインが使用されるケースが顕著に増加しており、「仮想通貨初のキラーアプリ」となる可能性が高いと指摘した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧