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仮想通貨よりも有利に、株投資で賢く「節税」する方法

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世界的な景気悪化・インフレ局面のいま株投資をするなら、ただ利益を上げるだけでなく、効果的な節税によって利益を守ることも重要です。

投資に関する税率は高く、利益を上げたとしても、必要以上に税金を取られてしまうのは避けたいところ。株投資の利益について節税する方法を知っておけば、利益を最大限に残してお得に投資をする事が可能に。

そこで本記事では、株投資について発生する税金の基本から、具体的な節税方法まで詳しく見ていきましょう。

目次
  1. 株投資で発生する税金の基本
  2. 仮想通貨と徹底比較・税制面から見た株のメリット
  3. 株式投資でさらに節税する方法
  4. 「一般口座」と「特定口座」のメリット・デメリット
  5. 節税を駆使してお得に株式投資

1. 株投資で発生する税金の基本

まずは、株式投資で発生する税金について、基本的な知識から解説します。

1-1. 株の税金は主に2種類

株式投資で得た利益には、主に「譲渡益課税」「配当課税」という2種類の税金が発生します。

譲渡益課税とは、株を売却した際の利益(値上がり益)に対して発生する税金のこと。そして配当課税とは、株を保有することで得られるインカムゲイン「配当金」が支払われた場合に発生する税金です。

上場株式の場合、税率はどちらも「20.315%」。内訳は「所得税」15%、「住民税」5%、「復興特別所得税」0.315%です。

1-2. 譲渡益課税(売却時に発生する税金)の計算方法

譲渡益課税は、1年間(1月1日~12月31日)で得た利益の合計額(譲渡所得)に税率を乗算して計算します。

譲渡所得とは、つまり株式を売却した事によって得た利益の額で、次のような計算式で算出します。

  • 「売却時の譲渡価額-必要経費(購入時の価額+手数料等)」

例えばある銘柄の取得にかかった必要経費が50万円、譲渡価額が150万円だとすると、譲渡所得は「100万円」となり、この部分から20.315%の譲渡益課税が発生します。税額は20万3,150円となるので「79万6,850円」が手元に残る計算です。

1つの証券口座で株式を複数取引した場合は、それぞれの銘柄の譲渡所得を合算した額に対して課税されますが、損失の方が大きい場合は税金が発生しません。

1-3. 配当課税(配当時に発生する税金)の計算方法

次に、配当課税の計算方法を見ていきましょう。

まず、個人が保有する上場株式の配当課税は源泉徴収されるため、企業から振込みがあった時点で課税は済んでいます。そのため、基本的に配当金について確定申告をする必要はありません。

ただ、配当金について確定申告をすることは可能で、詳しくは後ほど説明しますが、確定申告したほうが税額を減らせる場合があります。配当金について確定申告する場合、「総合課税」または「申告分離課税」の2種類の課税方式があり、それぞれ役割が異なる点に注意しましょう。

ちなみに、配当課税額を算出するには、まず課税対象となる「配当所得」の額を求めるところから始めます。配当所得は次の指揮で算出できます。

  • 「配当による収入金額(源泉徴収前)-借入金の利子」

配当金ではこのように、銀行等から借り入れをして株式を購入した場合、その借入金について発生する負債利子を収入金額から差し引けるのがポイントです。

2. 仮想通貨と徹底比較・税制面から見た株のメリット

続いては、仮想通貨と比較した株式の税制面でのメリットについて簡単に解説しましょう。

そもそも株式と仮想通貨では、適用される税制が異なります。

仮想通貨取引による利益には「総合課税」が適用されるため、税率は最大で「55%」。株取引を通じた利益について発生しる税率は、前述のように「20.315%」に留まり、特に利益が高額の場合は仮想通貨よりも低くなります。

加えて、株式には次の章でご紹介するような節税方法が充実しており、ある程度柔軟な節税対策が可能です。

一方で仮想通貨について発生する税金は「取引単位で考える」ため、株取引の税金のような融通が利かないのが難点。利益は他の損失と相殺できず、損失は別の利益と相殺できません。損失を翌年以降に繰り越すことも不可能で、1年単位で税金が発生します。

ここからは、こういった税制面で優れている株取引の具体的な節税方法について、より詳しい内容を解説します。

3. 株式投資でさらに節税する方法

ここからは、すでに税制面で仮想通貨よりも有利な株投資について、さらに節税する方法を解説しましょう。

3-1. 損益通算で相殺する

1つ目は「損益通算」によって損失と利益を相殺し、課税所得額を下げる方法です。譲渡益課税に関して、1つの証券口座内で損益を相殺できることは前述のとおりですが、これは異なる証券口座間の損益にも適用可能です。

例えば証券口座Aで50万円の譲渡益、証券口座Bで40万円の譲渡損が発生したとしましょう。複数口座間の損益通算をしない場合、証券口座Aに対して10万1,575円の課税額が発生します。しかし、証券口座AとBで損益通算を行えば、口座Aの譲渡益を10万円まで引き下げられ、課税額は2万315円まで減少できるのです。

また、株式譲渡の損失を「配当所得」との間で損益通算することにより、配当金に対して発生する税金を軽減もしくは非課税にすることも可能です。

配当金を損益通算の対象にするには、大きく2つの方法があります。

1つは「申告分離課税」の形式で自分で確定申告を行うこと。もう1つは、「源泉徴収あり」かつ「配当受入あり」の特定口座で、配当金の受領方式を「株式数比例配分方式」に設定しておくことです。後者の場合、年末に証券口座で自動的に譲渡損失と配当金が相殺されます。

3-2. 控除の仕組みを活用する

2つ目の方法は「控除」の仕組みを活用することです。

株式の譲渡により、利益よりも損失の方が大きくなった場合、最大で翌年以降3年間にわたって損失を繰り越す事が可能。これを「繰越控除」と呼びますが、損失を繰り越すことで翌年以降の利益と今年度の損失を相殺し、翌年以降の課税所得額を減額できるのです。

また、配当金に関しては「配当控除」という仕組みを利用することで課税額を軽減できる場合があります。

配当金の拠出元となる企業の利益には既に法人税が発生しており、配当金にも課税すると二重に課税されている状態に。配当控除はこの二重課税を解消して二重に発生した分の課税額を払い戻すための仕組みで、配当控除を利用するには「総合課税」の形式で確定申告が必要です。

ただし、配当控除を行うメリットがあるのは「全体の課税所得額が695万円以下の人」のみ。これ以上の課税所得額の人が配当控除を行うと、税率が一律に源泉徴収される20.315%よりも高くなるため、配当控除を行うメリットはありません。

3-3. 税制優遇制度の活用

3つ目の方法は、「NISA(ニーサ・小額投資非課税制度)」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」に代表される「税制優遇制度」を活用することです。

NISAは年間120万円までの投資が最大5年間非課税になるタイプ、年間40万円までの投資信託が最大20年間非課税になるタイプの2種類があります。

iDeCoは「もう一つの年金」とも呼ばれ、長期的に資金を積み立ててゆき、原則60歳になると積み立てた金額を受け取れる、老後の資産形成に適した制度。iDeCoを利用するメリットとして、掛金を投資信託で運用できること、掛金や運用利益がすべて非課税になることが挙げられます。

3-4. 「ふるさと納税」で返礼品を得る

4つ目は「ふるさと納税」を活用する方法です。

ふるさと納税とは、特定の自治体に寄付を行うことで、その地域のグルメなどを返礼品として受け取り、さらに「寄付金控除」を受けられる仕組み。

寄付金控除とは、国や地方公共団体などに対して寄付を行うことで所得控除を受けられ、課税所得額を減らせる仕組み。納税という名前ではありますが、法的には寄付に該当します。

ふるさと納税では、自己負担金2,000円を除いた寄付額の全額を寄付金控除として計上できます。寄付先は自分で自由に選択でき、応援したい自治体や馴染みのある故郷に寄付を贈って返礼品をもらいつつ節税ができるため、人気です。

市場に流通しない珍しい品を返礼品として設定している自治体もあるため、返礼品のラインナップから寄付先を決めても良いでしょう。

3-5. 不動産投資の減価償却費で相殺する

5つ目は「不動産投資」によって節税する方法です。

この方法では、不動産(建造物・付属設備)を購入時に発生する費用の減価償却による赤字と所得を損益通算し、課税所得額を減額します。

減価償却とは、何年も使える物を購入した際に、購入から数年に分けて費用計上していく考え方のことです。例えば3000万円の物件を購入し、会計上の減価償却期間が3年であれば、購入から3年間にわたって1000万円ずつ会計上の赤字が計上されます。

ただし、不動産投資による節税を活用するメリットがあるのは、課税所得額が900万を超える人です。900万円以下の場合は節税効果が弱くなるうえ、それ自体に価値減少などのリスクがある不動産を購入するデメリットの方が大きくなるでしょう。

安易にできる方法ではありませんが、NISAなどのような節税上限額が設定されていないのがメリットです。課税所得が高額で、かつ効果の高い節税方法を探している場合は、検討の価値があるでしょう。

4. 「一般口座」と「特定口座」のメリット・デメリット

会社の給料とは違い、株式の譲渡益によって利益が出た場合、関しては原則として確定申告が必要ですが、事前の設定によっては確定申告の手間を省ける場合があります。

そこで最後に、株式取引を行う「一般口座」と「特定口座」について解説しましょう。

4-1. 一般口座とは

「一般口座」とは、自身で1年間の損益計算を行い、年間取引報告書を作成して確定申告が必要なタイプの証券口座です。全ての取引を把握し、自身で確定申告を行う必要があるため、以下でご紹介する「特定口座」よりも手間がかかります。

ただし、本記事でも何度か振れている通り、確定申告を行った方が節税できる場合も少なくないため場合によって使い分けることが大切です。

4-2. 特定口座とは

一方で「特定口座」は、1年間の損益通算・年間取引報告書の作成を証券会社が代行する講座です。

「源泉徴収あり」「源泉徴収なし」の2パターンから選択でき、「源泉徴収あり」を選択した場合、証券会社が納税まで実行するため利用者による確定申告が不要です。納税の手間が一切かからないのが大きなメリットですが、場合によっては収める義務のない税金を払ってしまうケースがあるため注意が必要です。

一方で「源泉徴収なし」の特定口座を選択した場合、利益が出た際に自身で納税作業である確定申告を行う必要があります。ただし特定口座では年間取引報告書を証券会社が作成するので、そこに書かれている通りに確定申告を行えばよく、一般口座ほど作業の負担はありません。

5. 節税を駆使してお得に株式投資

本記事では、株投資で発生する税金の基本から、税制面での仮想通貨との相違点、具体的な節税方法や証券口座の種類まで詳しく解説しました。

節税は損益通算等の仕組みを活用する方法から、税制優遇やふるさと納税などの制度を活用する方法まで様々です。ただし中には、不動産投資を通じた節税のように、特定の条件を満たしていなければリスクの方が大きくなってしまうケースもあります。

自身に会った節税方法と口座を選択肢、賢くお得に株式投資で利益を上げましょう。

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