グリーがSuiのバリデータに
日本のソーシャルゲーム大手グリー株式会社は22日、Layer1ブロックチェーン「Sui」の開発元である米Mysten Labsと戦略的パートナーシップに係る覚書を締結したことを明らかにした。
このパートナーシップにより、グリーの100%子会社でありシンガポールを拠点とするBLRD PTE LTD.は、「Sui」のバリデーションを開始する予定だ。さらに、日本国内のIP(知的財産)を利用したWeb3ゲームの開発に関して、「Sui」における取り組みを加速させる計画だ。
Mysten Labsは、元Meta(旧Facebook)のブロックチェーン研究開発チームのメンバーや、プログラミング言語「Move」のリードエンジニアによって、2021年に設立された。
Mysten Labsによって開発された「Sui」は、「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」メカニズムに基づくブロックチェーン。水平スケーラブルな構造により、高い取引処理能力と低い手数料を実現している。さらに、多様な特性を持つ資産をオンチェーン上で定義することが可能という特徴も持ち、開発者やクリエイターに対して、よりユーザーフレンドリーな環境を提供している。
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グリー取締役上級執行役員で、BLRD代表取締役社長を務める荒木英士氏は、Web3が次の時代を切り開く技術であるとの確信を表明し、Mysten Labsとの提携はグリーが次のステージに進む重要な一歩と評価した。
グリーは「インターネットを通じて、世界をより良くする。」というミッションを掲げ、2004年に創業しました。以来、当社は一貫して最新のテクノロジーを事業へ活用することを模索し続け、様々な企業とのパートナーシップを通じて、世界中の人々に最高のエンターテインメントを届けることを追求してきました。
「Web3領域に関するMysten Labsの圧倒的な知見と、エンターテインメント領域に関する当社のこれまで経験を組み合わせることで、これまでにない全く新しいエンターテインメントを世界中に届けることを目指してまいります。
Mysten Labsの共同創設者であり最高経営責任者(CEO)であるEvan Cheng氏も、次のように述べている。
「ゲーム、アニメ、メタバース等のエンターテインメント領域において比類なき実績を持ち、著名IPを活用したコンテンツを多数生み出してきたグリーにとって、「Sui」は最適なパートナーとなるでしょう。今回の戦略的パートナーシップの締結によって、今後、新たな素晴らしいコンテンツが「Sui」にもたらされることを心から楽しみにしています。
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グリーのWeb3展開
昨年の9月には、グリーは100%子会社のREALITY(東京都)を通じて、ブロックチェーンゲームの開発とWeb3事業への参入を発表した。「Blockchain for Games」をテーマとするゲーム専用のブロックチェーンプロジェクト「Oasys」へのトークン投資を行うなど、数々の有望なWeb3プロジェクトへの出資と提携を進めている。
今月初め、グリーは高速ブロックチェーン「Avalanche」の開発者であるAva Labsやゲーム会社のgumiなどと共に、Web3ゲーム開発支援プログラム「Avalanche Arcad3」を立ち上げた。Arcad3は、従来のWeb2ゲーム会社が新たにWeb3ゲーム領域へ進出するのを支援する目的で設立され、Avalancheに限らず、イーサリアム仮想マシン(EVM)との互換性を持つブロックチェーン全体でのWeb3ゲーム開発を視野に入れている。
荒木英士氏はREALITY株式会社の代表取締役社長も兼務する。同氏はグリー株式会社の取締役上級執行役員としての立場から、7月25-26日に開催予定のWebXに登壇することが決定している。
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