米大統領選の仮想通貨への影響
暗号資産(仮想通貨)運用企業Bitwiseのマット・ホーガン最高投資責任者は30日、イーサリアム(ETH)などのアルトコインにとっては11月の米大統領選で共和党候補のトランプ氏が勝利する方が、より相場の追い風になるとの見方を示した。
トランプ氏が勝利した方が規制が明確になり、投資リスクが軽減されるというのがその理由。同氏の勝利によって、アルトコインはビットコイン(BTC)よりもパフォーマンスが高くなる可能性があるとも述べている。
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今回の発言は「Yahoo Finance」の番組で行われた。米大統領選では、民主党候補のハリス氏も仮想通貨に肯定的な見方を示すようにはなったが、トランプ氏の方が早くから強く仮想通貨を支持する姿勢を示している。
"I think the most important thing for bitcoin is that the election happens," Bitwise Asset Management CIO @Matt_Hougan says. "Regardless of a Trump win or a Harris win, the regulatory setting for bitcoin is improving, and I think that's what you're seeing reflected in the price." pic.twitter.com/BXAkbg3vyG
— Yahoo Finance (@YahooFinance) October 30, 2024
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ホーガン氏は、ビットコインは米証券取引委員会(SEC)や米商品先物取引委員会(CFTC)がコモディティ(商品)と定義したり、現物ETFが承認されたりして、イーサリアムなどのアルトコインよりも規制上の取り扱いがすでに明確になっていると話した。
その上で、トランプ氏の勝利によってSECのメンバーが新しくなればアルトコインも規制が明確になり、機関投資家や企業への普及が進み、仮想通貨全体に影響が波及するだろうと主張している。
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なお、ホーガン氏はこのように述べているが、イーサリアムはビットコインと同様に、SECによって現物ETFが承認されている。
それによってSECはイーサリアムを有価証券とはみなしていないとの見方が広がっているが、現物ETFの審査時にステーキングの要素が取り除かれたことや、メタマスクを開発するConsensysとSECが係争中であることなどをホーガン氏は懸念している可能性がある。
ビットコインへの影響
ホーガン氏はビットコインについては、どちらの候補が勝っても規制の環境は改善し続けていくとの見方を示した。それはビットコインだけでなく、アルトコインにもポジティブに働く可能性があると述べている。
そして、ビットコインの成功には米政府は必要ないとし、すでに機関が市場に参入し、ETFにも多くの投資資金が流入していると指摘した。
どちらの候補が勝利しても2024年よりは2025年の方が相場などの環境は良くなるだろうが、アルトコインにとってはトランプ氏が勝利した方がより追い風になるというのがホーガン氏の今回の分析だ。
大統領選の動向
米時間11月5日に行われる大統領選を巡っては、世論調査では両候補が拮抗している様子が伝えられているが、投資家の動向からはトランプ氏が優勢だと見てとれるとの指摘がある。トランプ氏優勢との見方は、最近のビットコインの価格上昇にも反映されているようだ。
分散型予測市場「ポリマーケット」によれば、本記事執筆時点におけるトランプ氏勝利の可能性は65.7%、ハリス氏勝利の可能性は34.3%である。
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