Pump.funが集団訴訟に直面
ソラナ(SOL)基盤のミームコイン発行プラットフォームPump.funに対し、米国証券法に違反しているとして2件の集団訴訟が提起された。
訴訟を起こしたのは、法律事務所Wolf Popper LLPとBurwick Law。Pump.funプラットフォームで作成されたトークンを未登録の証券と位置付け、その販売が証券法に違反していると主張している。
**LAWSUIT ALERT**
— Burwick Law (@BurwickLaw) January 30, 2025
Burwick Law and @WolfPopperLLP have filed a second federal class action lawsuit on behalf of investors against the PumpdotFun platform.
Full complaint available below.
一つめの訴訟は、ミームコインPeanut the Squirrel (PNUT)に関するもので、1月16日にニューヨーク南部地区連邦地裁に訴状が提出された。
PNUTは、Instagram上で人気を博し、その後悲劇的に安楽死を遂げたペットのリスをモチーフにしたミームコイン。ローンチ後24時間以内に、時価総額が1億4,000万ドル(約216億円)を超えるなど急騰したが、その後大幅な下落が続き、多くの投資家が損失を被った。
Burwick Law法律事務所は、「ミームコインやラグプル、未履行の約束で多額のお金を失った一般の人々と共に数か月間働いた後」、Pump.funミームコインの投資家を代表して法的措置を講じたと述べている。
30日には、原告が特に損失を被ったという三つのミームコインFWOG、FRED、GRIFFAINを対象とした訴訟が米ニューヨーク南部地区連邦地裁に提起された。両訴訟の被告は、Pump.fun運営企業のBaton Corporationと、Pump.funの3人の共同創設者だ。
Pump.Funの急成長
ソラナ基盤のPump.Funは24年1月19日にローンチし、ミームコインの作成と販売を簡易化したことで市場で大きな注目を集めることとなった。
2024年第3四半期には、手数料と収益でイーサリアムをはじめ、ほとんどのソラナプロトコルを上回り、2025年1月1日には記録的な1,500万ドル(約23億円)の日次収益を達成した。
一方、同プラットフォームではさまざまな問題も発生している。
昨年11月には、プラットフォーム上で、トークン宣伝のために衝撃的で物議を醸すライブ配信を行う個人が増加したことが問題視され、運営側がライブストリーミング機能を無期限に停止する措置をとることとなった。
英国では、昨年12月、規制当局である金融行為規制機構(FCA)が、Pump.Funが認可を受けることなく金融サービスの提供している可能性があると警告。英国在住のトレーダーのアクセスを遮断する事態となった。
高リスク投資
訴状では、Pump.Funが取引体験をゲーム化し、「指数関数的なリターンの約束、贅沢なライフスタイルのイメージ、組織的なソーシャルメディアの宣伝」を組み合わせた「洗練されたマーケティングキャンペーン」によって、ミームコイン投資のリスクを不明瞭にしていたと主張している。
さらに、Pump.Funはパンプアンドダンプを奨励するように設計されていると批判した。
初期の投資家や内部関係者が、協調的な購入やプロモーションキャンペーンを通じてトークンの価格を人為的につり上げ、その後、最高価格で保有分を売却している。その結果、トークンの価値が暴落し、後続の投資家に多大な損失をもたらすことになる。
ブロックチェーンデータ分析サイトDuneのアナリスト、アダム・テク氏によると、Pump.funに関与した1,400万ウォレットのうち、1万ドル(154万円)を超える利益をあげられたのは、わずか0.4%に過ぎないという。
トークンの共同発行者としての責任
原告側は、金銭の投資、共同事業、利益に対する期待、他者の努力というハウィーテストの基準に照らし合わしても、Pump.Fun上のトークンは証券の定義に当てはまると主張している。
訴状では、Baton Corporation/Pump.Funを、Pump.Funで発行されるすべてのトークンの「共同発行者および法的販売者」として位置付け、その責任を追求している。
Pump.Funは、トークン発行技術をはじめトークンの初期価格設定や供給量など「標準化されたインフラと集中管理」のシステムで運営されているため、トークンの発行に責任を負う組織であると指摘。個々の開発者やインフルエンサーは独立した発行者ではなく、「プラットフォームのエコシステム内のエージェントしてのみ機能する」としている。
その背景として、開発者は、Pump.Funの必須テンプレートとツールを使用する必要があり、トークンの特性や経済性を変更は不可となっていることを挙げた。Pump.Funのインフラとシステムに完全に依存しているため、独立した発行者ではないという論理だ。
またPump.Funは、包括的なマーケティングキャンペーンを通じて、直接投資を勧誘し、プラットフォーム上のすべてのトークン販売に実質的に参加しているため、証券法の「法定販売者」に該当すると原告は述べている。