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チェーンリンクCCIPで貿易のIoT実験、住友商事・ボーダフォンら

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

貿易文書をIoTでやり取り

英携帯電話会社ボーダフォンは24日、住友商事株式会社、Chainlink Labs、InnoWaveと共同で貿易に関するブロックチェーンの概念実証に成功したと発表した。

この実験は、様々なプラットフォームや複数ブロックチェーンの間で貿易文書を円滑に交換することに焦点を当てたものである。

貿易文書のやり取りについてはこれまで、紙ベースの取引やデジタルプラットフォームが存在しているが、非効率、あるいは信頼性の低いことが課題となっていた。

また、商取引のプラットフォーム間で相互運用性が低い場合に、システムがそれぞれ孤立しており手続きが複雑になることもある。今回のブロックチェーン実証実験はそうした課題への対応を目指すものだ。

参加した企業は、チェーンリンクのCCIP(Cross-Chain Interoperability Protocol)技術と、ボーダフォンのデジタルアセットブローカー(DAB)を使用して、ネットワークで結ばれたIoT(モノのインターネット)デバイス間を相互運用できるようにした。

なお、CCIPは異なるブロックチェーン同士が、スケーラビリティ、取引スループットなどの機能で、互いの強みを活かすことを可能にする技術だ。DABは、SIMカードにIDを付与し、独立したデバイス同士が安全に通信できるようにするデジタルプラットフォームである。

ボーダフォンは、実験の結果、アプリケーションがパブリックブロックチェーンやプライベートブロックチェーン、さらにIoTネットワークの両方で、データやトークンを安全に交換できるようにする単一インターフェイスを提供し得ると述べた。

具体的な例としては、貨物火災を検知した船舶が、DABとCCIPを介して、データをスマートコントラクトに自動で伝え、海上貨物保険の手続きを発動することなどが可能になるとしている。

チェーンリンクのノードオペレーターに

ボーダフォンのデジタルアセットブローカー(DAB)は、チェーンリンクのネットワークにノードオペレーターとして参加するとも発表した。

チェーンリンクのプラットフォームは、ブロックチェーン上に存在するスマートコントラクトを現実世界の出来事と関係づけるように設計されたノードを展開する、分散型オラクルネットワークによって支えられているところだ。

ボーダフォンDABは、このネットワークでノードオペレーターとなることで、データ交換や計算の安全性や効率性を支えていくことになる。

オラクルとは

ブロックチェーン上のスマートコントラクトにオフチェーンのデータを提供するサービス。Chainlinkは、世界中で広く採用されている分散型オラクルソリューションであり、そのビジョンを、「スマートコントラクトにおける、オンチェーンとオフチェーンの構成要素を安全に組み合わせる」ことだと説明している。

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ボーダフォンDABのDavid Palmer最高製品責任者は、次のように説明した。

IoTとブロックチェーンの統合は、IoTデバイスに新たな収益化の機会をもたらす可能性がある。2030年までに30億台のIoTデバイスがモノのインターネットにおける経済で取引に参加すると予測されている。

この成長を促進するためにも、DABとチェーンリンクの間で検証などを行うことが重要だ。

住友商事とボーダフォンの提携

住友商事株式会社は5月に、デジタルアセットブローカー(DAB)を提供する、ボーダフォンの100パーセント子会社「DABCO Limited」に出資参画すると発表している。当時の発表によると、DABCOの株主構成はボーダフォン80パーセント、住友商事20パーセントであった。

DABのグローバル展開によって、様々なデバイスの通信を効率化・最適化することで、あらゆるモノが自律的に通信する新たな経済圏の創出につなげるとしている。

IoTとは

あらゆるものに通信機能を搭載し、インターネットに接続できるようにすること。Internet of Things(モノのインターネット)の略。センサーやデバイス(感知システムなどでの遠隔操作)など近未来的なシステムにより、相互に制御する仕組みも構築できる。

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