HTトークンバーン
暗号資産(仮想通貨)取引所HTXは18日、分散化計画の一環として分散型自律組織HTX DAOを設立し、その後ガバナンストークンHTXを発行した。HTXは、TRONの創設者ジャスティン・サン氏によって買収されたHuobi(フオビ)であり、23年9月にリブランディングを経た取引所である。
HTX DAO設立の一環として、Huobiチームが保有するフオビトークンHT(4,100万HT、約121億円相当)がバーンされた。HTX取引所では、ユーザーがHTトークンをHTXトークンに交換することが推奨されている。
HTX DAOのエコシステムは、「HTX Exchange」(流動性の提供者)、「TRON」(技術基盤)、「X」(変化と可能性の象徴としてのプロジェクトエンティティ)から構成される。HTXはプラットフォーム収益の50%をHTX DAOのエコシステムに寄付し、TRONも同様に資金の条件で寄付する予定。
さらに、ジャスティン・サン氏を含む投資家によって買収された老舗取引所PoloniexもHTX DAOの構築に参画し、プラットフォーム収益の一部を寄付するなど、HTX DAOのエコシステムは拡大している。
今後、HTX DAOはTRONと共に分散型世界の到来を推進し、メタバースの構築などを通じて、世界中のユーザーに利便性を提供することを目指している。
ジャスティン・サン氏は、Huobiを分散型、民主的かつ自律的な取引所に変革する意欲を示す。なお、TRONネットワークは2021年12月に完全な分散化を宣言し、TVLは76億ドルを超えるなど、重要な決済ネットワークとしての地位を確立している。
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ハッキング事件と関連性を見る声も
一部の仮想通貨ユーザーは、昨年11月にHTXとPoloniexで発生したハッキング事件と、最近のリブランディングやトークンのバーンとの関連性を指摘しています。昨年11月10日、ハッカーがPoloniexのホットウォレットから約1億1400万ドル(約165億円)、HTXとブロックチェーンプロトコルHECOチェーン(Heco Chain)から約9700万ドル(約140億円)を盗んだ事件がありました。
HTXとPoloniexのオーナー、ジャスティン・サン氏は、これらの取引所で保有されている資産が「100%安全」であると発言しました。しかしながら、一部の仮想通貨ユーザーの間では、ハッキング事件による影響を軽減するため、あるいはその影響を隠蔽するために、リブランディングやトークンのバーンが行われたのではないかとの懸念が浮上しています。
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