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ポルカドット、60億円のマーケティング出費の効果にコミュニティが懸念 

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

財務内容に懸念

暗号資産(仮想通貨)ポルカドット(DOT)は6月28日、2024年上半期の財務報告で、現在の支出率が継続した場合、ポルカドットのオンチェーン基金(Treasury)に残されたランウェイ(資金不足に陥るまでの期間)は2年だと発表した。支出の内訳も同時に公開され、マーケティングに関する支出が特出していることを批判する声も上がった。

ポルカドットの基金(ファウンデーション)は2億4,500万米ドル(約395億円・3,800万DOT)の資産を管理しており、そのうち1億8,800万米ドル(約303億円・2,900万DOT)が流動資産となっている。

報告によると、2024年前半の総支出は8,700万米ドル(約140億円・1,100万DOT)で、2023年下半期の2,700万ドルを大きく上回った。なお、この期間中にDOTの価格は上昇し、利益が増加。DOTの支出は2.4倍となったが、同期間中の米ドル換算値は3.2倍に増加したと、レポートは付け加えた。

ポルカドットは、支出をアウトリーチ活動、開発、経済、才能&教育、運営、研究という六つの分野に分類。今期はアウトリーチ分野への支出割合が、前期の29%から42.4%と大幅に増加した一方で、開発は45%から26.7%と低下した。

このアウトリーチ分野の多額の支出の費用対効果について、コミュニティでは厳しい批判が上がってきている。

アウトリーチの支出

アウトリーチとは、ポルカドット・エコシステムに新しいユーザー、開発者、および企業を惹きつけることを目的としたすべての支出を指す。広告やメディア、オンラインおよびオフラインのイベントやコミュニティの構築、大規模なカンフェレンスや、ビジネス開発が含まれる。

アウトリーチ活動に使われた費用は以下の通り。

  • 広告:2,100万ドル
  • スポンサー契約:1,000万ドル (サッカークラブ、eスポーツ、レーシング)
  • インフルエンサー:490万ドル(EVOX、Unchained, Chainwireなどの代理店経由)
  • デジタル広告:400万ドル(CoinMarketCapなど)
  • イベント:790万ドル(Polkadot Decoded、Sub0)
  • ビジネス開発:390万ドル(カンファレンスでの講演アクセス、パートナー募集など)
  • メディア制作:320万ドル(ドキュメンタリーシリーズなど)

多額の資金がアウトリーチに投入されているが、その効果については「ポルカドットは、Xやその他の場所で目に見えない」と批判され、エコシステムの成長には反映されていないという意見が多い。

支援団体代表のコメント

批判されているポルカドットの財務状況について、同プロトコルをサポートするWeb3財団のFabian Gompf最高経営責任者は、Xでいくつかの点について説明した。

Gompf氏は、まず、どの事業体の支出なのかについて、Web3財団ではなく、「コミュニティによって投票されたオンチェーン基金(トレジャリー)の支出である」と指摘。財団は全くDOTを売却せずとも5年間のランウェイ(資金的余裕)があると主張した。

同氏は、このランウェイという概念が誤解を招きやすく、オンチェーン基金には継続的に資金が流入するため、資金が枯渇することはないと述べた。また、この基金からは、財団がカバーしないイニシアチブに資金を供与すべきだとの考えを示した。

なお、個人的には、基金が投資収益率が低いと思われる活動に多額の費用を費やしたという意見には賛同すると付け加えた。

さらに、ポルカドットの開発とビジネスを率いてきたブロックチェーンインフラ企業Parity Technologiesの設立者、Björn Wagne氏も、Gompf氏の説明に賛同するとともに、オンチェーン基金の支出に対する批判にも賛成だとコメントした。

しかし、ポルカドットのガバナンスは界隈で「最大かつ最も洗練されたDAO」であると主張。急速に進化しており、参加を希望する人々には多くのチャンスがあると述べた。

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