RENDERとIOの買い方
2024年、ChatGPTを筆頭とする「生成AIモデル」が脚光を浴びる中、株式市場ではAI半導体大手のNvidia(エヌビディア)が躍進を遂げました。
生成AIは膨大かつ複雑な計算処理を要するため、高性能GPUの需要が急激に増加しており、多くの企業がエヌビディア製の最新GPUを求める中で、クラウドサービスへの移行を加速させています。
こうした背景から、暗号資産(仮想通貨)を活用し、地理的に分散した物理端末をネットワーク化して需給をマッチングするDePIN(分散型物理インフラネットワーク)への注目度が高まっています。GPUの供給不足が続く中、この分野の需要はさらに加速すると予測されます。
本記事では、DePIN領域において、AI(人工知能)のGPUニーズに対応する「Render Network」と「io.net」に焦点を当て、両プロジェクトの特徴と将来性、仮想通貨RENDERとIOの購入方法について詳しく解説します。
Render Networkの概要
Render Networkは、分散型GPUネットワークで、計算能力を必要とする人々と余剰の計算能力を提供する人々を結びつけます。
このネットワークが管理するGPU(Graphics Processing Unit、グラフィックス処理装置)は、コンピューター内で画像やビデオの処理を行う専用のプロセッサーです。
GPUは並列処理に優れており、同じ計算を高速で繰り返すことが得意です。そのため、ディープラーニングのような高速な並列処理が求められるAIの開発に適しており、最近の生成AI時代の基盤とも言われています。
GPUの所有者はRender Networkを介してコンテンツ製作者に計算能力を提供し、報酬を得ることができます。一方、コンテンツ製作者は必要な時に、GPU能力を迅速に活用できます。Render Networkは作業負荷を多数のGPUに同時に分散させるため、従来の方法に比べて映画品質のコンテンツを大幅に短時間で制作できるとされています。
当初はレンダリング(データから画像・映像等を生成する技術)に特化していたRender Networkですが、現在ではAIタスクも取り扱うように拡張しています。
RENDERトークンについて
Render Networkは2020年のサービス正式開設以来、総ノード数が5600に達し、年間何百万ものフレームを処理する成熟したプロジェクトとなっています。
このネットワークで使用されるユーティリティトークンがRENDERです。具体的には、サービス利用料金の支払いや、プラットフォームの運営方針に対する投票(ガバナンス)で使用されます。また、GPU提供者は報酬としてRENDERを獲得できます。
Render Networkは2017年にRNDRトークンをイーサリアムで発行。その後、ネットワークで使用してきましたが、利用者の増加に伴い報酬の配布処理が追いつかない課題に直面しました。
トランザクション処理を短縮し、コストを軽減するため、Render Networkは2023年に報酬トークンの運用をソラナに拡張。現在はGPU提供者にソラナ上のトークン「RENDER」が配布されています。
24年7月10日に海外版バイナンスがRENDERのサポート計画を表明しました。現在は過渡期にあり、ビットバンクなどの主要な仮想通貨取引所が徐々にRENDERへのサポートを開始しています。
イーサリアム上のRNDRは、公式アップグレードツールを介して、ソラナ上の「RENDER」に1:1で交換可能です(一方通行)。RNDRからRENDERへの移行を促進するため、2023年10月から2024年10月までの期間、アップグレードしたユーザーには最大114万RENDERRのインセンティブが設けられています。
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io.netの概要
io.netも、Render Networkと同様、ソラナ基盤の分散型GPUネットワークです。ソラナのブロックチェーン上ではDePINの開発が活発に行われています。
Render Networkと競合プロジェクトであるかのように見えますが、公式サイトでは、Render Networkはパートナーであると説明しています。io.netは、Render Networkなどの仮想通貨プロジェクト、仮想通貨のマイナー、データセンターから余剰のGPUを集め、ユーザーがアクセスできるようにしています。
プロジェクトのミッションは、コンピューティングパワーへの公平なアクセスを解放することです。コンピューター処理の拡張性や効率性を向上させ、アクセスしやすくしようと取り組んでいます。
io.netは機械学習(ML)に最適化されたネットワークですが、GPUの全てのユースケースに適していると説明しています。
IOコインについて
io.netのネイティブ通貨は「IO Coin(IO)」です。プラットフォームのユーティリティトークンとして発行されています。
具体的には、エコシステム内での報酬や料金の支払い、ステーキングやガバナンスに使われています。
投資家が注目する理由
続いて、2つのプロジェクトが投資家から注目される理由を解説していきます。
AI需要でトークン価格が上昇
まず、世界で注目を集めるAI領域の銘柄であることです。AI領域が金融市場からも注目されていることは、半導体大手NVIDIAの株価が大きく上昇したことからも明らかです。NVIDIAがリードしたAIブームから、より容易に投資できる仮想通貨が恩恵を受けて、注目を集めています。
IOはローンチから日が浅いですが、RENDERは24年10月時点で、価格が前年比で280%上昇しています。AI領域の仮想通貨の価格は、NVIDIAの株価に連動することもあります。
なお、AI銘柄は、潜在的価値が誇張されているとの指摘もありますので、投資する際は注意も必要です。
GPU需要の高まり
2つ目の注目点は、世界的なGPU不足に対応していることです。24年10月現在では、ChatGPTなどの生成AIブームによって、GPU不足が顕在化しています。
Render Networkとio.netはどちらもGPUへのアクセスを提供するプロジェクト。生成AIブームによってGPU不足は今後も継続するとの声が上がっているため、両プロジェクトの需要が高まっていく可能性があります。
大手企業の支援
3つ目は、大手企業から支援を受けていることです。大手企業が支援していることはプロジェクトの信頼性や将来性につながります。
まず、Render Networkは21年12月、3,000万ドル(現レート約48億円)の資金調達を行なったことを発表。この資金調達を大手仮想通貨投資企業Multicoin Capitalが主導しました。この時、ソラナ財団も出資しています。
また、Render Networkのアドバイザリーボードには以前、グーグルの元CEOであるエリック・シュミット氏が所属していました。現在では、ベーシックアテンショントークン(BAT)を擁する次世代ブラウザ「Brave」、およびMozillaの共同創設者であるブレンダン・アイク氏らが名を連ねています。
一方、io.netは、24年6月にバイナンスのローンチプールを行なったことで大きな注目を集めました。ローンチプールを利用するプロジェクトは、トークンのローンチをバイナンスからサポートしてもらえたり、バイナンスのユーザーベースにアクセスしたりできるメリットがあります。
また、io.netも24年3月、3,000万ドルの資金調達を完了したことを発表。このラウンドはHack VCによって主導され、Multicoin Capital、Solana Labs、Aptos Labs、The Sandboxらの投資家が参加しました。
この時に、仮想通貨メディア「The Block」が情報筋から得た情報によると、io.netのトークンの発行数ベースの評価額は10億ドル(同約1,600億円)に達していたようです。
仮想通貨の買い方
次に、仮想通貨RENDERとIOの買い方を解説します。
RENDER
まず、RENDERは日本の仮想通貨取引所bitbank(ビットバンク)に上場しています。最初にビットバンクの口座開設手続きを行ってください。
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口座開設が完了したら、次に日本円の入金を行います。入金後、自身の口座に円の残高が反映したら、その資金を使って購入します。
IO
IOは24年10月時点で日本の交換業者に上場していないため、購入はDEX(分散型取引所)を使用する必要があります。IOをDEXで購入するためには、ソラナのブロックチェーンに対応したウォレットを用意します。今回は、代表的なウォレットのPhantomを例に解説していきます。
まず、Phantomのインストールと設定を行ったら、新しいウォレットを作成し、シードフレーズを安全に保管します。
次にSOLを国内取引所からPhantomへ送金。日本でSOLを入手する場合はSBI VCトレードなどの取引所を利用します。なお、Phantomのウォレット作成方法や、国内取引所からのSOLの送金方法は以下の記事で詳しく解説しています。
関連:Phantomウォレット使い方、ソラナを使ったポイ活(エアドロップ)の始め方・セキュリティ対策
続いて、DEXのJupiterにアクセス。売却する銘柄でSOLを選び、購入する銘柄でIOを選択して取引を実行するとIOを入手できます。
仮想通貨ソラナ(SOL)への投資に
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まとめ
以上が、RENDERとIOの買い方の解説です。どちらの銘柄も2024年のトレンドであるAIとDePINの双方に分類される仮想通貨として注目を集めています。
購入を希望する場合は、どちらの銘柄もまずは、日本の認可された仮想通貨交換業者で口座を開設する必要があります。
IOはDEXを使うことになりますが、新しい投資機会に興味があるなど、関心を持たれ方は、この機会に購入してみてはいかがでしょうか。ただし、仮想通貨投資にはリスクが伴うため、十分な調査と理解を行った上で、自己責任で投資判断をしてください。
関連:ブロックチェーンゲームでも税金が発生する?課税のタイミングやNFT取引における所得の注意点などを解説|Aerial Partners寄稿
参考:Render Network Upgrade Portal FAQ
参考:RNDRからRENDERへの移行に対するインセンティブ
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