STEPNとは?ゲームの仕組み
ステップン(STEPN)とは、ファインドサトシラボ(Find Satoshi Lab Limited)によって開発されたブロックチェーンゲーム(BCG)のひとつで、実世界で歩いた・走った距離によって、報酬が得られる「Move to Earn」という仕組みを持ったWeb3アプリです。
STEPN独自のトークンとしては、報酬として主に用いられる「GST」とゲームの仕組みを利用するために用いられる「GMT」の2種があります。
STEPNを利用するためには、最初にソラナ(SOL)やイーサリアム(ETH)などで「NFTスニーカー」を購入する必要があります。
NFTスニーカーには種類とレアリティが存在し、それがステータスに影響して稼ぎやすさやボーナスの品質に違いが出てきます。
特にステータスの「Luck(運)」はプレイ時にもらえるボーナス「ミステリーボックス」に大きく影響し、ミステリーボックスから得られる「ジェム(gem)」はNFTスニーカーを強化できるアイテムとしてマーケットプレイスで売買されています。
また「NFTスニーカー」はレベルアップや修理が必要となり、対応する仮想通貨を支払うことで行うことができます。
使用しなくなったスニーカーはゲーム内のマーケットプレイスで他のプレイヤーに売却することもでき、その分を収益とすることも可能です。もしくはNFTスニーカー2足を合成(mint)して、「ガチャ」のようにランダムでレアリティが変化する「シューボックス(Shoebox)」を作ることもできます。
STEPNはこのような仕組みで稼げるゲームとなっていますが、多く稼いだ際には通常の仮想通貨取引で得た収益と同様に、確定申告の対象となります。ただ、経費として計上できる部分もあるため、稼いだ額すべてが所得となって税金がかかるといったこともありません。
今回はSTEPNおよび続編となるステップン・ゴー(STEPN GO)に関する税金について、一通り解説していきます。
STEPNで収益とみなされるもの
STEPNではさまざまな方法で収益が得られるため、それらを合計して計算する必要があります。現在では次のような報酬・ボーナスが収益とみなされると考えられます。
- 報酬として獲得したGSTおよびGMT
- ミステリーボックスで獲得したGST
- ミステリーボックスで獲得したジェム
- NFTスニーカーまたはShoeboxを売却して得たSOL
報酬として仮想通貨を獲得した際は、その際の時価で収益額を計算しなければいけません。NFTスニーカーやShoeboxを売却したときは、最初にNFTスニーカーを購入した費用やレベルアップにかかった費用と差し引いて売却益を計算します。
また、ミステリーボックスを開封して得たジェムについては、報酬として仮想通貨を獲得したときと同様に、マーケットプレイスで取引されている価格から、獲得時の価格を算出して収益とすることになります。
ジェムに関しては売却したときに収益とみなされるのではなく、獲得時に収益になる点は間違いやすいため、注意するようにしてください。
STEPNで経費とみなされるもの
「所得」とは収益から必要経費を差し引いたものであり、STEPNでも仕組みの中で仮想通貨を使用することがある点から、経費として計上できるものがいくつかあります。
先述した収益とみなされるものから差し引いて、STEPNによる所得を算出することが確定申告における正しい損益計算には必要となるので、こちらもきちんと理解しておくことをおすすめします。
STEPNを遊ぶ中で、経費とみなされるものは下記の通りです。
- NFTスニーカーやShoeboxの購入で使用した仮想通貨
- NFTスニーカーのレベルアップで利用したGSTおよびGMT
- NFTスニーカーの修理で利用したGST
- NFTスニーカーの売却時に生じた手数料
- Shoeboxのmintで使用したGSTおよびGMT
- ミステリーボックスの開封で使用したGST
収益に比べて数が多く、複雑なものとなるため、見落とさないように取引をきちんと整理することを心がけましょう。
なお、STEPNで稼ぐためにランニングシューズやランニングウェアを購入した場合、経費とすることはできないと考えておいた方が良いでしょう。
STEPNをプレイするためだけに必要だとすることは非常に難しく、暗号資産の雑所得については経費となるものが直接関連するものと限定されているので、必要経費としてみなされない可能性が高いためです。
STEPNによる所得は確定申告のときにどう処理すれば良い?
STEPNで生じた所得は、通常の仮想通貨取引の所得と同様に「雑所得」に区分されるケースがほとんどです。
また、給与所得のみの一般的な会社員の方は基本的に確定申告は不要ですが、雑所得に該当する所得の合計が20万円以上の場合は確定申告が必要となるため、副業としてSTEPNで稼ごうと考えている人は注意するようにしましょう。
ただ、先述した通り収益と経費の生じ方が複雑であるため、計算に時間がかかったり誤りが生じたりする可能性は高いと考えられます。
確定申告に間に合わない・誤った金額で申告した場合にはペナルティの対象となることもありますので、収益と経費をきちんと整理して計算するようにしてください。
STEPN GOになると税金や確定申告で違いは出る?
STEPNの正式続編となる「STEPN GO」も開発されており、2024年6月からは試作品となる「アルファ版」がリリースされています。
基本的な流れはSTEPNを踏襲しつつ、「The Haus」と呼ばれるNFTスニーカーの貸出機能のほか、アバターやPVPなど他のプレイヤーと関わることのできるソーシャル機能などが追加されることとなっています。
STEPN GOでは引き続きGMTの利用ができるほか、「ポリゴン(Polygon:MATIC)」を基盤とした新トークン「GGT」が報酬やNFTスニーカーのレベルアップ等に使用されますが、その点においてもSTEPNの「GST」と同様の扱いとなり、税務処理においては現状大きな違いは出ないものと思われます。
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ただ、今後追加される機能によっては、収益とみなさなければならないもの・経費にできるものかできないものかが判断しにくいものが出てくるとは思いますので、その際は税理士など専門家に相談することをおすすめします。
まとめ
STEPNおよびSTEPN GOで得られた収益は、ゲーム内で使った仮想通貨を経費として、通常の仮想通貨取引と同様に所得を算出する必要があります。
かつてはGSTの値幅も大きかったときもあり、急に確定申告する必要が出てきて、年間の取引を一気に見直さなければならなくなったという人もいるかもしれません。
ブロックチェーンゲームにおいては独自の仕組みから、さまざまなシチュエーションで仮想通貨を獲得・消費することがあるため、その取引内容を確定申告期にまとめて計算するのは難しいものと思われます。
そのため、日々STEPNを多く利用する人ほど、週に一度もしくは月に一度区切りの良いタイミングでその期間の取引を整理するなどして、いざというときに焦らないよう準備を進めておきましょう。
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