実現可能性は低いか
米投資銀行TD Cowenの報告によれば、トランプ新政権は暗号資産(仮想通貨)業界を支持する初期措置を講じたものの、実質的な規制の明確化にはまだ時間がかかる可能性が高い。
今週金曜日、トランプ大統領は仮想通貨市場に関する作業部会を設立する大統領令に署名。この作業部会は、仮想通貨のイノベーションを阻害する要因を特定し、排除することを目的としている。
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TD Cowenのワシントンリサーチグループ長Jaret Seiberg氏は、「今回の大統領令は象徴的な意味合いが強い。実際のルール変更には数年かかるだろう」とコメント。
また、トランプ大統領が評価を指示した「国家デジタル資産備蓄」の検討についても、期待されていた「ビットコイン準備金」そのものではないとされる。
大統領令には「作業部会は、ステーブルコインを含むデジタル資産に関する連邦規制の枠組みを半年内に策定し、戦略的国家デジタル資産備蓄の創設を評価する」と明記されているが、ビットコインへの具体的な言及はない。
トランプ大統領は選挙運動中に、仮想通貨専門委員会の設置や「戦略的ビットコイン備蓄」の創設を約束していたものの、具体的な進展は見られない。一方、連邦および州議会では、同様のビットコイン準備金構築を目指す法案が提出されている。
「備蓄」と「準備金」には明確な違いがあるようだ。Jito Labsの最高法務責任者Rebecca Rettig氏は、The Blockの取材で「備蓄は政府が押収した仮想通貨を保持することを指し、準備金は財務省が新たに購入し保有することを意味する」と説明している。
現在、政府は210億ドル以上の仮想通貨を保有しているが、具体的にどのトークンを備蓄しているのかは不明だ。備蓄や準備金の目的も明確化されておらず、財政赤字への対応や新しい資産クラスへの信頼醸成といった可能性が考えられる。
Seiberg氏は、「トランプ大統領の最優先事項はドルの防衛であり、ビットコインが台頭することでドルの地位が脅かされる可能性がある」と分析。また、ビットコイン準備金は優先事項にはならないとの見解を示している。
一方、規制当局の姿勢には変化の兆しが見られる。SECやCFTCは、これまで抑圧してきた仮想通貨業界と新たな関係性を模索している。
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