11/30(土)〜12/6(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
ビットコイン・オンチェーンデータ
BTC取引数
BTC取引数(月次)
アクティブアドレス数
アクティブアドレス数(月次)
BTCマイニングプールの送金先
取引所・その他サービス
bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
今週、11/30(土)〜12/6(金)の仮想通貨相場の仮想通貨相場週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は振れ幅を伴いつつも底堅い値動き。一時は1557.1万円の史上最高値を付けたが、6日正午時点では1470万円台で推移している。
週明けのBTC円は1480万円近辺まで上昇するも反落し、その後は米司法省による1.98万BTCの送金やアルトコイン相場の失速で上値を重くすると、3日米国時間序盤に韓国の尹大統領が戒厳令を宣布したことで市場に混乱が起き、一時は1400万円を割り込んだ。
一方、尹大統領の戒厳令はすかさず議会で解除決議案が可決され、相場は反発。その後はクグラーFRB理事とグールズビーシカゴ連銀総裁による追加利下げを支持する発言を受けて強含む展開となった。
4日には、セントルイス連銀ムサレム総裁が利下げ停止の可能性に言及し、相場は一時弱含むも、NYタイムズ主催のイベントに登壇したパウエルFRB議長が、「ビットコインはデジタルだが金(ゴールド)のようなものだ」「ドルの競争相手ではなく、金の競争相手だ」と発言したことを好感し、1500万円近辺まで上昇。翌5日の東京時間には上値を追う展開となり、10万ドル水準となる1500万円を初めて上抜け、1550万円台に浮上した。
しかし、この日の米国時間には米主要3株価指数が軟化。すると高値警戒感から利食いが加速し、ロングの投げを伴って相場は1400万円近辺まで急反落した。
5日東京時間についに10万ドルの大台に乗せたBTCだが、終値では同水準の維持に失敗。しかし、ドル建てでは9.2万ドルで急反発を演じ、6日東京時間には9.8万ドルを試す展開となっており、急落後にも関わらず底堅さを印象付ける値動きとなった。
6日米国時間には11月分の米雇用統計の発表を控えており、同指標が今月18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げの有無を判断する重要な材料と言える。
FF金利先物市場では、今月も25bpの追加利下げが決定される確率を依然として70%ほど織り込んではいるが、雇用統計が強めに出れば金利据え置き観測が急速に台頭する可能性が指摘され、BTCの地合いは緩むだろう。
一方、大台の10万ドルは依然として射程圏内と言え、雇用統計の結果が目先のBTC相場の明暗を分けると言えそうだ。
来週からはFRBメンバーがメディアブラックアウト期間に入ることから、FOMCの手掛かりは6日の雇用統計に加え、11日の消費者物価指数(CPI)と12日の卸売物価指数(PPI)と限られており、指標を手掛かりにFOMCの出方を窺う1週間となりそうだ。
さて、10万ドル到達を達成したBTCだが、長期的にみて「今週の高値が大天井となるか?」も気になるトピックかと思われる。BTC相場におけるメジャートレンドのオシレーターとして用いられるPSP(含み益コインの割合)は、50日平均(MA)が「買われ過ぎ」とされる95%を超えており、そろそろ相場が調整に入ってもおかしくはないと言える(第2図)。
しかし、2013年、2017年、2021年と、半減期後の強気相場では、PSPの50MAが95%を超えた後も相場は調整を伴いつつ高値を更新し続けており(第2図内緑矢印)、依然として今週の高値が大天井と断定するのは時期尚早だろう。
加えて、過去の半減期サイクルから鑑みても、現在のBTC相場は依然として強気相場フェーズの序盤〜中盤であることがわかる(第3図)。
これまでのサイクルでは、半減期から371日〜546日で大天井を形成しており(第3図内紫矢印)、6日時点で今年4月の半減期からは230日しか経過していない。
加えて、短期的な相場の過熱感は確認されるものの、今回のサイクルのパフォーマンスは現時点で過去最低となっている。
以上に鑑みて、BTC相場は依然として大天井を形成しておらず、長期的な上昇相場は継続する余地があると言えよう。ただ、PSPの50MAは95%を超えてきており、短期的な調整にはそろそろ警戒しておきたい。
関連:おすすめ国内仮想通貨取引所 投資家のクチコミ比較ランキング
関連:ビットバンクプラス公式サイト
前回のレポート:1400万円台で推移のビットコイン、この先は激しい上下の値動きに注意