アービトラムの安定性向上へ
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のL2プロジェクト「アービトラム(ARB)」は10日、ネットワーク上の紛争を解決するためのプロトコル「BoLD」を有効化するための最終投票を開始した。
投票は24日まで受け付けているが、本記事執筆時点では賛成票の割合が99.97%。今回の提案が承認されれば、ネットワークの安定性やセキュリティの向上につながる。
L2とは
「レイヤー2」の略で、「2層目」のネットワークのこと。全ての取引をメインチェーンで処理すると負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。取引の一部をL2で行うことで、メインチェーンの負荷軽減や処理速度の向上を期待できる。
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BoLDを有効化する主な目的は遅延攻撃に対する耐性を強化すること。遅延攻撃とは、イーサリアムに戻すトランザクション結果の確認を遅らせるなどして、ネットワークが処理を進めていくことを妨げる行為である。
現在、アービトラム上のチェーンは遅延攻撃の防止を、許可されたバリデータグループに依存しているという。BoLDはネットワーク上の紛争を一定時間内に解決できるよう強制的に制限したり、誰でも検証に参加できるようにしたりすることで、遅延のリスクを軽減しようとしている。
この提案が承認されれば、「アービトラム・ワン」と「アービトラム・ノヴァ」の両方のチェーンでBoLDを有効化すると説明。実装時期は2月12日の予定だ。
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他の提案
今回の提案には、BoLDの有効化以外に、アービトラム・ノヴァのバリデータのホワイトリストに「Infura」と追加することも含まれている。Infuraはブロックチェーンツールなどを開発するインフラプラットフォームである。
Infuraを追加する目的は、アービトラム・ノヴァのバリデータの数を増やして、ネットワークのセキュリティ、安定性、信頼性を強化することだと説明した。
そして、BoLDの有効化とInfuraの追加が承認されれば、アービトラムのユーザーやノード運営者、アプリやブリッジにメリットをもたらすことができるとしている。
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