2030年までに1BTC=数百万ドルの可能性も
ビットコイン研究者Murray A. Rudd氏とDennis Porter氏による最新のリサーチペーパー「A Supply and Demand Framework for Bitcoin Price Forecasting(ビットコイン価格予測のための需給フレームワーク)」が30日に発表された。ビットコインの固定された供給量と変動する需要のダイナミクスに基づき、将来の価格軌道を予測する新たな枠組みを提案。
本研究は、従来の統計的手法では捉えきれないビットコイン(BTC)特有の経済的属性に着目し、供給と需要の均衡モデルを柔軟に適用することで、長期的な価格変動のメカニズムを明らかにすることを目的としている。
ビットコインは、中央銀行による管理が行われない金融資産として、最大2,100万枚という絶対に変わらない供給上限を持つ。これが、従来の法定通貨や他の資産と大きく異なる点である。
供給面では、新規発行量が時間とともに減少する半減期が定期的に訪れる。最新の半減期は2024年4月19日に実施され、発行量の大幅な減少が市場に与える影響が注目されている。
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需要面では、機関投資家や国家機関の参入が進む中、ビットコインの長期保有や戦略的備蓄への組み入れが市場全体の需給バランスに影響を及ぼすとされる。
研究では、需要関数としてCES型関数(*生産要素間あるいは財のバラエティ間の代替の弾力性が定数である生産関数や効用関数のこと)を採用し、需要シフトパラメータと弾性の調整により、市場価格との整合性を図る手法が提示されている。
半減期による供給の急激な減少と需要の増加が重なることで、市場における価格上昇圧力が一層強まる仕組みが理論的に説明されている。
また、発行されたビットコインのうち、長期保有や紛失により流通数が低下している部分が、市場での実際の取引可能量としての流動的供給に大きな影響を与えている点も指摘される。
市場参加者が保有するビットコインの一部を戦略的備蓄や準備金として市場から引き上げる動きは、流動性の減少を引き起こし、価格に対する上昇圧力を一層強める要因となる。
モデルのシナリオ分析では、需要シフトパラメータの拡大と流動性の減少が同時に進行する場合、ビットコインの価格が極めて高いレベルに達する可能性が示唆されている。
保守的なシナリオでは、機関投資家の慎重な参入と流動性引き上げが前提となり、数年以内に100万ドル台への到達が見込まれる。
一方、強気のシナリオでは、急速な需要拡大と大規模な備蓄への移行が進むことで、さらに高い価格水準、場合によっては200万ドル、500万ドルといった水準にまで上昇する可能性がある。
伝統的な金融市場と比較して、ビットコインは供給が絶対的に固定されているため、需要の急変が直接的に価格変動に反映される特性を持つことが強調されている。
この新たな枠組みは、従来の統計的手法では把握できなかったような需給のダイナミクスを明らかにし、機関投資家や政策立案者が実態に基づいた判断を下すための有力な指標として機能することを目指している。
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