ステーブルコインの動向
暗号資産(仮想通貨)の分析を行うCryptoQuantは1月31日、週次レポートを公開し、ステーブルコインの流動性から分析すると、ビットコイン(BTC)などの仮想通貨の価格が近く上昇する可能性があるとの見方を示した。
仮想通貨を支持することを公約したドナルド・トランプ氏が勝利した昨年11月5日の米大統領選以降この傾向が見られるとし、USDCの時価総額が増加して流通量が増えていることなどを指摘。過去の傾向では、ステーブルコインの流通量が増加すると仮想通貨の価格が上昇しやすいと述べている。
ステーブルコインとは
価格が常に安定するように設計された仮想通貨のこと。法定通貨または仮想通貨に価値が裏付けられていたり、アルゴリズム等で価格を安定させたりする様々なステーブルコインが開発されている。
▶️仮想通貨用語集
以下の画像が、ステーブルコインの時価総額(=供給量)の変化を表したグラフ。ピンク色がUSDC、紫色がUSDTを表し、右軸で30日間の変化率を示している。
USDTについては最近プラスに転じたばかりだが、USDCが約20%増加しており、CryptoQuantは「USDCの増加ペースは、少なくとも過去1年で最も速い」と説明した。
一方で、USDTは、中央集権取引所に預けられている金額が過去最高水準に達しているという。11月4日時点では305億ドル(約4.7兆円)だったが、レポート作成日には430億ドル(約6.7兆円)に増加した。
ステーブルコインは仮想通貨を購入するために使用できるため、取引所にとって重要な流動性となる。CryptoQuantは「ステーブルコインの流動性の増加は通例、仮想通貨の価格上昇と関連性が高い」と指摘した。
米ドルステーブルコイン全体の時価総額も、以下の画像の通り2,040億ドル(約32兆円)に達し、過去最高水準にあるとしている。
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他の分析
ステーブルコインについては、仮想通貨取引サービスなどを提供するCEX.IOも1月31日にレポートを公開している。
CEX.IOはまず2024年を振り返り、ステーブルコインの供給量は昨年1年間で59%超増加したと説明。そして、現在は米ドル供給量の1%に達していると述べた。
他にも、2024年の送金ボリュームが27兆ドル(約4,188兆円)を超え、ビザとマスターカードを合計した数値を7.68%上回ったことに言及。また、金利を生み出すステーブルコインが増加していることも指摘した。
さらに、ステーブルコインが流通するブロックチェーンを比較し、イーサリアム(ETH)とトロン(TRX)のシェアが少し減り、特にソラナ(SOL)、アービトラム(ARB)、ベース、アプトス(APT)への分散化が進んだことも指摘している。
その上で、ステーブルコインは仮想通貨市場のライフラインとしての役割を強固にしているとし、2025年も成長していくだろうと分析。ビットコインの半減期後は、取引の出来高も増える傾向にあるとした。
他にも、米国や他国の規制緩和がステーブルコインの供給量増加につながる可能性があること、ベンチャーキャピタルがステーブルコインプロジェクトへの関心を強めていることにも言及している。
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